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AI活用を「点・線・面」で捉える――質と量のトレードオフを崩した教育機関に学ぶ、売上の構造が変わる3つのレベル

6分で読める
AI活用
AIをどのように取り入れると売上の構造が変わるのか?(写真:World Image/PIXTA)
  • 椎橋 徹夫 Laboro.AI 代表取締役CEO
  • 田辺 遼 Laboro.AI ソリューションデザイン部部長

INDEX

AI活用が効率化の域を出ない。多くの日本企業がぶつかるこの壁の正体は、技術の優劣ではなく、AIを業務のどのレベルに介入させているかの違いにある。
既存の事業資産を起点に売上の構造を変える「事業深化」は、さらに3つのレベルに分けて読み解ける。そのレベル2にあたる、学生全員にAIアドバイザーを配った教育機関の事例とあわせて見ていきたい。AI開発企業Laboro.AIの椎橋徹夫氏と田辺遼氏による『日本企業はAIでどう稼ぐのか』から、一部を抜粋・再構成してお届けする。

「事業深化」は、3つのレベルに分かれる

AI活用は、大きく3つの段階に分けられます。第1段階はコスト削減を志向した効率化、第2段階は既存の事業資産を起点に売上の構造を変える「事業深化」、第3段階は既存の延長線上にない新市場の創出です。このうち、多くの日本企業にとってとくにチャンスが大きいのが、第2段階の事業深化です。

『日本企業はAIでどう稼ぐか: 既存事業の売上を伸ばす事業深化』(書影をクリックすると、アマゾンのサイトにジャンプします。紙版はこちら、電子版はこちら。楽天サイトの紙版はこちら、電子版はこちら)

ただし、事業深化と一口に言ってもその中身は一様ではありません。そこで本書では、AIによるイノベーションが何を対象に、どの範囲に介入しているかという構造的な違いに注目し、事業深化をさらに3つのレベルに分けて整理しています。

レベル1は「特定タスクの改善」です。対象はビジネス・プロセスで、ある業務の中で詰まっている特定のタスクにAIを差し込み、従来は越えられなかった壁を突破します。品質を維持したまま処理量の天井を引き上げる、人には難しかった判定精度を実現するといったもので、比較的狭い範囲の「点のイノベーション」です。

レベル2は「複数範囲の改善」です。対象は同じくビジネス・プロセスですが、AIの介入が単一のタスクにとどまらず、計画・企画から実行・販売までの前後工程や、複数部門にまたがって作用します。長いビジネス範囲にわたる「線のイノベーション」と言えます。

レベル3は「事業構造の書き換え」です。対象がプロダクトになり、AIの介入が業務プロセスの改善を超えて、何を売るか、誰に売るか、どの市場で戦うかを書き換え始めます。縦横の部門に広く影響が及ぶ「面のイノベーション」です。

第2段階を読み解く3つのレベル
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