「この1年間、何をやっていたのか、信じられない思いだ」。会計不正からの立て直しを図るニデック。終わらない経営の混乱に元幹部はため息をついた。
9月28日には再生を主導してきた岸田光哉氏の社長解任が報じられ、29日には岸田氏の辞任が発表された。翌30日には2026年3月期決算をようやく開示したが、当初2500億円とアナウンスしていた減損額が約6321億円まで拡大したことで最終損益は5646億円の赤字となった。
同日に26年3月期の有価証券報告書も提出された。本来の提出期限から3カ月延長していたその最終日で、この日に間に合わなければ上場廃止となるところだった。しかし、有報に付された監査法人からの監査意見は「不表明」だった。
ニデックは東証から内部管理体制に重大な問題があり、上場廃止の可能性もある「特別注意銘柄」に指定されている。株式市場では上場廃止の憶測も広がり、株価は解任報道前の9月25日の2840円から30日に2355円へ17.1%下落(ともに終値)。10月1日の場中には1888円の安値を付けた。
監査法人の代表が自ら「意見不表明」の理由を説明
一連の問題を説明するため、ニデックは10月1日の16時から京都市の本社で記者会見を開いた。この手の会見にまず出ることはない、裏方である監査法人からも代表者が出席した。
PwC Japan有限責任監査法人の久保田正崇代表執行役は、「意見不表明というのは連結財務諸表に誤りがあると断定する監査意見ではありません」と前置きしたうえで、「連結財務諸表に対する意見表明の基礎となる十分かつ適切な監査証拠を入手することができなかったため」と不表明とした理由を説明した。
730人の会計士らが投入され監査にあたったが、それでも十分な監査証拠を入手できなかった。不正会計に関与していたり、監査人に虚偽の説明を行ったりしていた役職員の一部が未だに責任ある立場を担当しているとも指摘した。そうした役職員は複数国の拠点で約20人にのぼるという。
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