その後、軽率な行動について謝罪しながら、違法薬物の使用や所持などへの関与は明確に否定した上で「しかしながら、疑念を抱かせるような交友関係や不用意な行動を取ってしまったこと自体が、自身のプロアスリートとしての自覚を著しく欠いていたのだと、その責任を痛感しております」と反省の言葉を述べている。
そして「今後の活動につきましてはなにも決まっていませんが、私には野球しかありません」と現役続行への思いを記している。これを取材の場でも自分の口から伝えられていれば、小園の囲み取材の受け取られ方はかなり違ったはずだ。
メディア対応の下手さは、全体で改善すべきだ
小園は昨年は首位打者を取り、今年春のWBCでも侍ジャパンに選ばれた広島カープの顔だった。それだけの有名選手が、メディアを前にきちんとした対応ができないというのは、日本スポーツの問題ともいえる。
そもそも日本のスポーツ選手は自分の意見を語らないとはよく言われることだ。ヒーローインタビューや試合後の一問一答などでも「チームの勝利に貢献したい」「一戦一戦やるだけです」「応援よろしくお願いします」という定型文が並ぶことが多い。
一方、海外スポーツでは選手がメディアの前で話す機会そのものが制度として組み込まれている。例えばサッカーでいえば、UEFA主催大会では、試合前後の記者会見やインタビューなど選手のメディア対応について細かく規定されている。EUROでは大会期間中、毎日、監督や選手によるメディア対応が行われる。試合後にもインタビューやミックスゾーンでの対応が求められる。
これだけ日常的にマイクを向けられ、自分の言葉で説明することを求められれば、それ自体が経験になる。メディア対応は後天的に身につけることもできる。その一例がダルビッシュ有だ。
現在のダルビッシュには、自分の考えを丁寧に言葉にし、質問に対してもきちんと向き合う選手という印象がある。しかし本人は2019年のインタビューで、若い頃について、メディアも嫌いだったと明かしている。もちろん、日本のメディアの取材姿勢に問題があった可能性もあるわけだが、それを加味しても日本ハム時代は記者に対して距離を置くような印象が強かった。それがメジャー移籍後、年齢や経験を重ねたこともあるだろうが、自分の考えを積極的に発信するようになった。
人前で話すことが得意か不得意かには個人差はどうしてもある。それでもダルビッシュの変化を見ると、メディア対応は経験し、訓練することで身につけられる技術であることがわかる。
小園は「私には野球しかありません」と述べたが、次の球団を探す今こそ、野球以外の能力が問われている。


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