習氏にとっての成果はまだある。トランプ氏に、「米中は同盟国」と言わしめた点だ。
ホワイトハウスの公式YouTubeを見る限り、習氏を迎えた歓迎式典で、トランプ氏はスピーチの3割から4割を、以下のような「米中は同盟国」とする内容に割いている。
「第2次世界大戦で、アメリカと中国は同盟国になりました。勇敢なアメリカ人パイロットたちは志願して中国に赴き戦いました。両国民が力を合わせて戦争に勝利したように、習氏と私は今後も共に力を合わせ、両国のより良い未来を築いていきます」
「米中同盟」はアドリブではなかった
普段なら、アドリブで放言することが多いトランプ氏が「また、やらかした」で済む話かもしれないが、演台に置かれた原稿を目で追う姿からは、事前に用意されたものであることがわかる。
トランプ氏の後に登壇した習氏も「大統領が先ほど述べたように……」と「米中同盟」の話に触れたが、トランプ氏による原稿を目で追いながらのスピーチは、「事前に米中ですり合わせた」と思わせるに足るシーンだったと言えるだろう。
おまけに習氏は、首脳会談後の晩餐会でも、「80年以上も前、中国とアメリカの人民は肩を並べて作戦に当たり、共に、日本の軍国主義侵略者と戦った」と「米中同盟」に言及している。
一連の習氏の姿勢から見えてくるのは、①日米同盟関係にくさびを打つ、②アメリカの顔を日本ではなく中国に振り向かせる、③あくまで台湾擁護の日本、特に高市政権を孤立させる、という意思であり、強烈なまでの高市首相への憤りである。
米中首脳会談の2日前、「アメリカが過度に中国に傾かないように」との狙いからニューヨークでトランプ氏と会談した高市早苗首相は、残念ながらはしごを外される形になったと言うしかない。


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