ヒョンデの各モデルが世界的に好評を博している理由のひとつに、その個性的なエクステリアデインが関係しているように思う。
現在、日本に輸入されているのはゼロエミッションモデルのみ、つまりBEVか燃料電池車(FCEV)のどちらかだが、それでも「インスター」「コナ」「アイオニック5」「ネッソ」の各モデルには大胆で明確なデザイン上のテーマがあり、プロポーションもよく練られている。ボディパネルの作りにも安っぽさが感じられず、細部まで丁寧に作り込まれている点も、デザインの魅力を押し上げるひとつの要因だ。
もちろん、クルマのデザインには個人の好みも多分に影響するから、「ヒョンデのデザインはどぎつすぎて好みじゃない」と言いたくなる人の気持ちもよく理解できる。ただし、これまで様々な自動車デザイナーを取材してきた私の目から見ても、ヒョンデのデザイナー陣はかなり有能で、メーカーとしてもデザインの向上にかなりの投資を行っていることは間違いないように思う。
マーケットを見据えたデザイン戦略の妙
ヒョンデ全体のデザインに目を向けると、その特色はさらに際立つ。率直にいってブランドを貫くデザインテーマのようなものは見当たらないものの、セグメントや仕向地にあわせて様々な個性を生み出しているのだ。
たとえばアメリカが主戦場となる大型SUVは“ラギッド(rugged。「たくましい」「精悍な」の意味)”な力強さ、ヨーロッパで人気のコンパクトカーにはスッキリとしたテイスト、セダンが主流の韓国市場向けには落ち着きと威厳さ、そして中国を強く意識したBEVにはランボルギーニを髣髴とする未来的なスタイリングを投入するなど、ひとつの枠には収まらないデザイン戦略を採用しているのだ。


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