運輸車両部車両センターの谷川友則業務区長は、外付けのディスクブレーキについて「ピットに入らなくてもメンテナンスができるメリットがあります」と話す。一方で直角カルダン駆動方式や自動窓などは部品点数が多くなることもあり、乗客の知らない裏側での苦労はそれなりにあるようだ。
谷川さんは1998年の入社。かしわ台車両センターから歩いて10分くらいのところに実家があり「電車は好きでしたが何系だとか相鉄の車両を意識したことはなく、家が近いから入社したような感じです」と振り返る。
「8000系は私が入社したころに増備されていた車両なので、いまだに新車のイメージがあります。モーターを整備する班にいたのですが、交流モーターの8000系はそれまでの手間がかかる直流モーターの車両に比べメンテナンスが格段に楽になりました。乗る場合はやはりクロスシートのある車両がいいですね」
新型車両にはないレアな特徴
相鉄では都心直通に伴い新型車両が次々と登場してきた。車内の鏡は18年に営業運転を開始した「20000系」で復活したものの、8000系・9000系以降の車両は外側ディスクブレーキや直角カルダン駆動、自動窓を採用していない。
2026年3月には相鉄線内のみを走るヨコハマネイビーブルーの「13000系」がデビューした。13本の編成があった8000系も現時点で6本を残すのみ。ヨコハマネイビーブルーの斬新なデザインの車両が直通先で目を引く一方、相鉄の“古きよき”ローカルな伝統を引き継ぐ車両は貴重な存在になりつつある。

