「こんなクレイジーな現場、見たことない」
9月24日木曜日、米中首脳会談が行われる日の朝。ホワイトハウスに詰めかけ取材していたある記者は、現地の凄まじい大混乱の様子を、筆者にこう表現した。
米中首脳会談を取材しようと、多くのジャーナリストがホワイトハウスの敷地内に集まり、ごった返している中、アメリカ主要テレビ局はある重大な決断を迫られていた。中国の習近平国家主席がホワイトハウス南玄関に到着し、アメリカのドナルド・トランプ大統領が出迎えるという重要な政治的シーンを代表撮影するかどうかだ。
撮影担当者はカメラを持ち、三脚などの機材を準備し、ホワイトハウス記者会見室の外で待機していた。代表撮影のゴーサインが出れば、すぐに南玄関に駆けつけられるようにするためだ。習主席の到着時刻が刻一刻と迫る中、結局、撮影せよ、との指令が下ることはなかった。アメリカ主要テレビ局は、米中首脳の代表撮影をボイコットするという前代未聞の決断を下したのである。
トランプ大統領が報道機関3社(CNN、MS NOW、ポリティコ)に対してホワイトハウスでの取材禁止措置をとったことで始まった今回の国家権力とメディアの全面対決。メディア側が対抗策として放った「代表取材のボイコット」は、これまでの歴史にない極めて異例の手段だった。
ホワイトハウスで何度も代表取材を経験した筆者が、この前代未聞の対決の裏側と、それがもたらす本質的な危機をリポートする。
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