大西さんは、この手間暇をかけたプロダクトだからこそ、価値があると捉えた。
「軸木の色の濃淡の程度、染めた後はちゃんと火が点くのか、頭薬をつけたあとは、火をつけて5秒10秒と燃え続けるのか、ずっと不安でした。見た目をおしゃれにしてもマッチとしての機能が伴わなければ意味がありませんから」(大西さん)
実験から約3カ月後、ついに試作品が完成した。ブランド名は「ブルーラベルマッチ」。約1年の歳月をかけて、日東社のマッチとしては初となるオリジナルブランドが誕生した。
白い壁に1点だけ、展示会で100社が反応
2025年6月、東京ビッグサイトにて開催された国際インテリア・ライフスタイルの見本市「インテリアライフスタイル」に、ブルーラベルマッチの試作品を出展した。
壁一面にびっしりと商品を陳列する他社ブースが並ぶ中で、日東社のブースは真っ白な壁に燕印のブルーラベルマッチの箱のみ置かれている。“余白のデザイン”に引かれて足を止めた来場客からは、「美しい」「こんなおしゃれなマッチ、見たことがない」と感嘆の声が漏れた。
ブルーラベルマッチに関心を示した会社は展示会だけで100社以上。美術館のミュージアムショップやアロマキャンドル店、インテリアショップのノベルティなど、それまでのタバコ用や仏壇用とは異なる、新しい用途としての引き合いが相次いだ。
次の目標は、同年11月の「マッチ業界150周年記念パーティー」に合わせた正式販売だ。チームは、4カ月間で価格設定やECサイトの構築を急いだ。


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