「価格は最終的に1箱500円(税抜き)にしました。通常のマッチから見れば、破格の高級品です。でも、安売りして薄利多売の構造から抜け出せなければ、マッチに未来はありません」(大西さん)
94万インプレッション突破、「一度限り」から「ストック型」へ
2025年11月、日本でマッチの生産が始まって150年という節目の年に、ブルーラベルマッチは正式に販売を開始した。
少しさかのぼって、展示会「インテリアライフスタイル」出展前の6月、公式X(旧Twitter)に投稿された商品の画像は、瞬く間に拡散された。
「初めてマッチに対して美しいなと思った!」
「お香やキャンドルに火をつける用にほしい」
「陶器でできているような趣があって素敵すぎる」
投稿は94万インプレッションを突破、1万件以上の「いいね」が寄せられた。
全国からオンラインショップに注文が殺到し、東京、大阪、京都、福岡などのインテリアショップや雑貨店での取り扱いも決定した。インテリアブランド「DULTON(ダルトン)」からノベルティのオーダーが入り、他にも周年記念品といった注文も舞い込んだ。
発売から半年あまりで、法人取引先は13社、取り扱い店舗は26店舗へと拡大。数字以上に大きかったのは、従来の広告マッチのような「一度限りの受注」ではなく、店舗の棚に常設され定期的にリピート注文が入る「ストック型のビジネスモデル」を確立できたことだった。
「展示会をきっかけに出会ったアパレルショップに行ってみたんですよ。最近はキャンドルや生活雑貨が置いてあるんですね。全然知りませんでした。ブルーラベルマッチの反応に手応えを感じたので、いつかこの場所にキャンドルと一緒に置いてもらえるといいですね」(大西さん)
自社ブランドマッチ「ブルーラベルマッチ」は、確実に社員の自信につながった。しかしその一方で、プロジェクトに参加したメンバーと、それ以外の社員との間には大きな温度差が生まれていた。
後編では、強固なトップダウン体制が根強く残る老舗企業において、5代目が挑んだ組織改革の背景に迫る。


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