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100均にもあるのに「1箱500円」…稼ぎ頭を売って《売上25億→5億、市場100分の1》の「マッチ」を残した老舗5代目の"賭け"

14分で読める
日東社 ブルーラベルマッチ
1年の歳月をかけ、初めて自社オリジナルブランドとして開発した「ブルーラベルマッチ」(写真:日東社)
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「時代の流れのなかで、うちのいちばんの強みとは何か。その問いから、『燕』や『桃』といった伝統的な商標デザインに行き着いたんです。これらのデザインは、誰もが一度は目にしたことがあるけれど、大人にとっては懐かしくて、若い世代にとってはレトロで新しい。ただこれを復刻するのではなく、現代の暮らしになじむ『インテリア』として打ち出せばいいのではと考えました」(大西さん)

見せ方でレトロと新しさを表現するためリサーチを重ねる中で浮上したのが、同じ兵庫県播磨エリアの伝統産業である「藍染め」だった。

「パッケージを藍色にするだけじゃ面白くない。マッチの『軸木』そのものを藍色に染められたらカッコいいのでは――?」

名前は「BLUE LABEL MATCH(以下、ブルーラベルマッチ)」。2025年1月、1年かけてコンセプトが固まり、チーム全員が沸き立った。

軸木を藍で染める…自然乾燥7日の試行錯誤

いよいよ具体的な商品開発に入る。とその前に、ゴールを決めようとなった。実はプロジェクトを発足したものの、新商品をいつ販売するか、具体的に決めていなかったという。

「新しいことを始めることで、やる気のある社員の士気を高めるのが最優先だったんです。そのため、最初からゴールを決めていませんでした。ブルーラベルが決まったのと同時期くらいに、2025年の6月に『インテリアライフスタイル』という展示会が開催されると知ったんです。この機会にテストマーケティングとして顧客の反応を見ようと決めました」(大西さん)

しかし、実態としての新商品はまだできていない。まずは展示会で手にとってもらうサンプル品を、3〜4カ月で完成させる強行スケジュールがスタートした。

最大の難所は「軸木の染色実験」だった。この役目を担ったのが若手社員だ。かつてブックマッチの製造に使われていたスペースの一角に実験室が作られた。同社では軸木を染色したマッチを20年以上生産しておらず、ノウハウゼロから試行錯誤を重ねた。

マッチ箱に収納されるのを待つブルーラベルマッチ(写真:筆者撮影)

軸木には、空気を取り込みやすく燃えやすいチリ産のポプラ材を使用しているが、ポプラは繊細で水分の変化に敏感な素材だ。藍色の染料に浸した軸木をドライヤーなどで急速乾燥させると、木が反り返り、ささくれてしまう。試行錯誤の末に行き着いたのは「棚に広げて自然乾燥させる」というアナログな手法だった。

通常のマッチであれば、マッチ製造機で1時間に最大150万本を製造できる。一方、新商品の染色軸木は乾燥に7日間かかり、完成までに1週間以上を費やす。

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