子どものことを思うあまり、つい他の子と比べてしまい、自己嫌悪に陥ってしまう。そのお気持ち、とてもよくわかります。筆者はこれまで38年間、4500人以上の子どもたちを直接指導し、Mama Café(カフェスタイル勉強会)でも累計1.8万人の親御さんたちの相談に回答してきましたが、「比べてしまう」という悩みは、最も多くいただくご相談のひとつです。このしんどさの裏には、多くの親が陥っている"ある勘違い"があります。
親を苦しめる「同じ山を登っている」という錯覚
私たちは無意識のうちに、子どもたちが皆「同じひとつの大きな山」のふもとに並ばされ、一斉に頂上を目指して競争していると錯覚してしまっています。学校というシステムや、年齢ごとに区切られた成長の目安が、その錯覚をさらに強固にし、信念化することすらあります。「同じ年齢」というだけで「同じコース」にいると思い込んでしまうのです。
同じ山を登っていると仮定してしまうと、当然ながら「現在地の高さ」が気になり始めます。「あの子はもうあんな高いところまで登っているのに、うちの子はまだ5合目だ」「お隣の子は走って登っているのに、うちの子は座り込んで石ころをいじってばかりいる」と、視線は自然と「他の子の高さ」や「登るスピード」に向かい、我が子のペースの遅さにイライラしたり、不安になったりします。親の愛情ゆえの心配ではありますが、これが子育てのしんどさの根本的な原因なのです。
しかし、現実はまったく違います。子どもたちはそもそも、同じ山に登ってなどいないのです。


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