ハワイの観光客数はコロナ前の2019年に初めて1000万人を超え(1039万人)、2025年は964万人と、ピークの9割強の水準にある。
一方、2019年に約157.6万人と海外市場で最多を誇った日本からの訪問者は、2025年には73万人と半分以下に落ち込んでおり、回復の遅れが目立つ。
歴史的な円安と日本国内の物価高なども重なり、ハワイは日本人にとって手の届きにくい旅行先になった。日本人客の需要を頼りにしてきたレストランやツアー会社など現地の事業者もまた、厳しい状況に置かれている。
ハワイ住民の「島外流出」が問題に
そんなハワイは今、観光経済の伸び悩みの影で、もう一つの切実な問題を抱えている。
地価の高騰と生活苦によって家族ごとハワイを去らざるをえない、住民の「島外流出」という深刻な事態が進行しているのだ。現地でどのような変化が起きているのか。ハワイ州第2選区選出で沖縄にルーツのある日系4世のジル・トクダ連邦下院議員に話を聞いた。
トクダ氏は、米連邦下院(定数435人)、上院(定数100人)を含めても現在4人しかいない日系アメリカ人議員のひとりだ。ハワイ州議会上院議員を12年間務めたあと、2022年の連邦下院選で初当選を果たし、現在2期目を務めている。
日本人観光客の回復の遅れについて、トクダ氏は日本国内の物価高や円安が与える影響に思いを寄せる。
「ハワイで暮らす私たちも、生活費が高騰し『1ドルの価値が届かなくなる感覚』をよく知っています。だからこそ、日々の生活用品に自国通貨の価値が届かないという日本の皆さんの苦しみには、心から共感できるのです」


※ログイン後、コメント入力が可能です。