早速現地へ飛び、直接話を聞きに行った。液体は硬いボトルではなく、柔らかい袋に入れること。技術を応用して逆止弁をつけることで、醤油を出すときは弁が開き、注ぎ終わったら閉じる機能を付与できるとわかった。都合のいいことに、醤油を注ぎ終わったあとは空気が中へ戻らないため、酸化も防げるという。
「落とし蓋で空気を追い出す」のではなく、「そもそも空気が入らない容器を作る」という逆転の発想は、開発を大きく前進させていく。
世界初「作りたてを味わえる」醤油の誕生
その後、悠心と組んで生まれたのが内袋と外袋からなる二重構造のパウチ容器と、世界初(※)といわれるエアブロック弁だった。傾けると弁が開き、使い終わったら完全に閉じる。さらには液漏れせず、100回以上開け閉めしても壊れない仕様で、従来のペットボトル容器とは全く異なる、革新的な技術だった。(※ ここでいう「世界初」とは、エアブロック弁を備えた鮮度保持容器、とりわけパウチ容器のこと)
ところが、ここでまた大きな壁が立ちはだかった。量産化の課題だ。従来のペットボトル充填ラインはそのまま使えず、容器メーカー、充填機メーカー、そして同社が連携し、新しい生産工程を組み上げていく必要があった。この局面で、社内からは新商品を危惧する声がポツリポツリと上がり出した。
「醤油の鮮度劣化について、消費者はそこまで強く意識していない」
「そもそも前例がない」
「本当に売れるのか?」
ほかにも、「新容器はコストアップの要因になる」とシビアな意見も寄せられたが、社内を説得して回ることで、なんとか発売までこぎつけることに。


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