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ビジネス #変わり続けるロングセラー

なぜ誰も「黒ずんだ醤油」に疑問を持たなかったのか…ヤマサが「醤油は開封後も劣化しない」という"思い込み"を壊すまで

7分で読める
ヤマサ醤油「鮮度の一滴」シリーズ
世界初「作りたてを味わえる」醤油の誕生秘話(写真:ヤマサ醤油)
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彼は知っていた。作りたての醤油は赤く澄んだ色で、華やかな香りが漂う。一方、開封してしばらく経った醤油は空気に触れることで黒ずみ、香りが飛んでしまうことを。

「自分と同じように、悲しい思いをする人をなくしたい……!」

思い立ったら即行動。いかに「醤油の鮮度」を保ち、消費者に赤い醤油を味わってもらうか、試行錯誤の日々が始まった。

「落とし蓋」の失敗と、一本の論文との出会い

最初に思いついたアイディアは、「1Lのペットボトルの中に落とし蓋をし、空気に触れる面積を減らす」という素朴なものだった。試しに開発室で実験してみると、意外にも結果がいい。しかし、コスト面が壁となった。

「発想は理にかなっていましたが、部品点数が増え、充填工程が複雑になります。また、容器のコストが高くなるうえ、大量生産が難しいという問題がありました。技術的には面白いものでしたが、単価数百円の商品に採用できるレベルのコストではなかった、と聞いています」(商品開発部 包装容器開発室 室長 河戸哲弥さん)

半ば諦めかけていたとき、偶然にも一本の論文に出会う。それは、新潟県三条市のベンチャー企業・株式会社悠心が発表した、パウチ容器の技術に関するものだった。

「この技術を生かせるかもしれない……!」

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