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キャリア・教育

子どもに必要なのは正解より「小さな想定外」、不確実性を生き抜く力を育てる方法を考える

6分で読める
近視は病気です
子どもについ「正解」を教えてしまいがちだが…(写真はいずれも本人提供)
  • 大川内 直子 文化人類学者/株式会社アイデアファンド代表取締役
  • 窪田 良 医師、医学博士、窪田製薬ホールディングスCEO
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窪田:不確実性をストレスとしてだけ受け止めず、方向転換できる力を持つ。それは偏差値には表れにくいけれど、生きるうえで重要な能力ですね。

大川内:「可愛い子には旅をさせよ」という考え方とのせめぎ合いは難しいです。子どもを大切にするからこそ、すべてのリスクを取り除くのではなく、小さな挑戦や失敗から立て直す経験をできる余地を残す必要があると思います。

属性のラベルを超えて、多様な世界に触れる

窪田:家庭だけでなく、社会や教育は何を変えていくべきでしょうか。

大川内:テクノロジーが発展し、海外にも行きやすくなった一方で、実際に異文化へ触れる経験は、むしろ減っているように感じます。ネットでさまざまな文化の情報を見ることはできますが、実体験として異なる生活や価値観に触れる機会は別のものです。

窪田:では、多様性はどのように考えるべきでしょうか。

大川内:多様性についても、女性比率や外国人比率といった属性のラベルだけで考えると、本質を見失うことがあります。何のために多様性を高めるのか。性格、行動、生活経験などの違いを含めて、人が実際に交流し、理解し合うことが大切だと思います。

窪田:子どもたちが、身体を使いながら多様な世界に触れる機会を増やす必要がありますね。

大川内:はい。異文化に触れることも、五感を使って世界を知ることも大切です。そうした経験の機会を、家庭だけに任せず、社会としてどうつくるかが課題だと思います。

窪田:デジタル技術によって、情報へのアクセスは容易になり、コストも下がりました。だからこそ、本を手に取って読むことや、実際に人と会うこと、五感を使う経験の価値を、改めて見つめ直す必要があります。

大川内:そうした経験には、子どもが自分で試し、小さな失敗をする場面も含まれますね。

窪田:はい。安全を確保した範囲での小さな失敗は、次により大きな困難に直面したときの学びになります。いきなり大きな困難に出会って立ち上がれなくなるのではなく、身近な挑戦を重ねながら、少しずつ立ち直る力を育てていくことが大切です。

大川内:テクノロジーを拒むのではなく、便利さの中で失われやすい遊び、身体を使う経験、偶然、異文化との出会いを、意識して残していく。そのための環境を家庭、教育、社会が一緒につくることが、これからの子どもたちには必要なのだと思います。

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