この3つは、どれも不確実性と呼ばれていますが、性質が異なります。シナリオの不確実性は社会の選択に関わるもの、モデルの不確実性は気候システムの表し方に関わるもの、自然変動の不確実性は気候システムがもともと持つゆらぎに関わるものです。
そしてどの不確実性が大きく効くかは、何を見ようとしているかによって変わります。
何年先を見るのかで変わる
今世紀末のような遠い将来を見る場合には、社会がどのシナリオをたどるかが大きな違いを生みます。一方、近い将来を見る場合には、シナリオの違いよりも、モデル差や自然変動の影響が相対的に大きく見えることがあります。
また、世界平均気温のような大きな指標は比較的見通しやすいのに対して、ある地域の雨の変化や極端現象は幅が大きくなりがちです。何年先を見るのか、地球全体を見るのか、特定の地域を見るのかによって、不確実性の意味は少しずつ変わってきます。
研究の進展によって狭められる不確実性もあります。
たとえば、観測が増え、モデルが改良されれば、モデルによる幅は小さくできる可能性があります。一方で、気候が本来持っている自然のゆらぎのように、完全には消えない幅もあります。
不確実性があるからといって、それだけで「何も判断できない」と考えるのは適切ではありません。むしろ、幅があるからこそ、その幅を含めてリスクを考える必要があります。
将来の気温上昇に幅があるなら、低いほうだけを見て「大丈夫だ」と考えることはできず、高いほうに振れた場合に社会や生態系にどんな影響が出るのかも考えなければなりません。
不確実性は、どこまでが「かなり確か」と言え、どこから先に「幅が残る」のかを知るための情報であり、その幅をどう読むかが将来の気候を考えるうえで大切なのです。



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