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「こんな研究、子どものおもちゃ」→10年後ノーベル物理学賞に…"役に立たない研究"が大発見につながった実例の数々を紹介

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ノーベル賞のメダル
最初のノーベル物理学賞「X線の発見」にまつわるエピソードを紹介(写真:tepp/PIXTA)
  • 亀田 崚 東京大学大学院理学系研究科学生・日曜劇場『御上先生』教育監修
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より詳しく言えば、筋肉などは比較的通り抜けやすく、骨のように密度が高くカルシウムを多く含む組織では通り抜けにくい性質があります。この「通り抜けやすさの差」を利用して人体の内部の組成を見る技術が、X線写真(レントゲン写真)です。

実は、電磁波を初めて発見したハインリヒ・ヘルツは、それの検出実験を行っている際に「こんな電磁波なんて、子どものおもちゃにしかならない」と言っていたとされています。しかし、その十年後にレントゲンが、電磁波の一種であるところのX線を発見し、ノーベル賞を受賞。今では、X線が現代医療の基礎技術になっていることを鑑みるに「基礎研究の有用性は、未来に生きる人間のみが実証できる」と思わざるを得ません。

一見すると使い道のない研究→がん検診やMRIに

1936年のノーベル物理学賞は、宇宙線の研究を通じて陽電子(ポジトロン)を発見したカール・アンダーソンに贈られました。陽電子とは、電子と質量は同じだが電荷のみが反転した反物質の一種です。1932年、ディラックが理論的に存在を予言していたこの粒子を、アンダーソンは霧箱を使った実験で実際に検出しました。

発見当時、これは素粒子物理学の中でも極めて基礎的な成果で、医療への応用を意図したものではありませんでした。しかし現在、陽電子は「PET検査(Positron Emission Tomography )」という、がんの早期発見に使われる検査技術に応用されています。

また、1944年のノーベル物理学賞「原子核の磁気的な性質の測定」はMRI(核磁気共鳴画像装置)に応用されています。

頭部MRIのイメージ(写真:maruco/PIXTA)

私たちの身体の大部分は水でできており、水には水素原子が含まれています。この水素原子の中心にある陽子は、小さな磁石のような性質を持っています。イジドール・ラービはこうした原子核に特定の周波数の電波を当てると、ある周波数でだけ強く電波を吸収する「共鳴」が起きることを発見したのです。ラジオのチューナーを回して目的の放送局に周波数を合わせると、その瞬間だけ音が流れ出すのに似た現象です。

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