特に2年目の選手は、前年よりも筋肉量が増えています。球速がアップするというのは、最大出力を出せるかどうかです。投球以前の問題として、体がどれだけ仕上がっているかは大事ですね」
冒頭で触れたように、阪神の工藤泰成は、今年、阪神の絶対的なクローザーとして売り出し中だ。彼は、徳島インディゴソックスに入団した2年前の6月18日に行われた第1回の測定会で、155㎞/hを超える速球を投げ、一躍注目されたのだ。前年、東京国際大時代にプロ志望届を出したものの指名されず、徳島入りした。以後、筋肉量を増やし、球速アップに努めていた。当日は測定する予定がなかったが、急きょ投げたのだという。工藤はこの時点では、四国ILで投げ始めたばかりだったが、現場にいたNPBスカウトは、工藤泰成という名前に早速「二重丸」をつけたのだ。
「一芸」を持った選手が強い
毎年、NPB球団に複数の選手を送り出す徳島インディゴソックスの南啓介社長は次のように話した。
「NPB球団には、それぞれ補強したいポイントがあって、内野手なのか、右バッターなのか、足の速い選手なのか、左ピッチャーなのか、球団ごとにニーズがあります。そのニーズに適合した選手が指名されるわけです。
だから、『一芸』を持った選手が強いのは間違いないですね。そういう意味では、測定会で上がってくる数字は、すごく意味があります。ただ、測定会の時期が難しいんです。シーズン中でも、試合のない期間と試合の最中とでは、選手のコンディションが違います。フィジカルの場合は、伸びしろを見るという部分が大きいので、測定会の時期やタイミングも大事ですね」
四国IL代表の馬郡健氏は、この測定会がもたらす、さらに大きな影響について話す。
「四国ILからNPBに行った選手は、昨年、100人を突破しました。それだけでなく、2024年には徳島の白川恵翔が韓国プロ野球(KBO)球団に期限付きで移籍するなど、他のプロリーグへ移籍する選手も出ています。リーグ創設から21年を経て、日本のみならず世界に選手を送り出す育成リーグになりました。
今年から、四国ILは各チーム3人の『外国人枠』を設けて、日本だけでなく世界のトップを目指す才能が集まり、切磋琢磨する環境を作り出そうとしています。
この測定会も、NPBだけではなく、MLBや海外のプロリーグも注目しています。測定会は、単なるデータを取る会ではなく、日本や世界への情報発信の機会になっています」
この「外国人枠」で高知ファイティングドッグスに入団したデルミス・ガルシアは、この測定会の時点ではまだ高知にいたが、わずか40試合で18本塁打を放つなど、豪快な打撃を見せていた。「あいつは、もうすぐNPBに行くだろう」と会場で話す声が聞こえた。果たして、7月21日、阪神タイガースがガルシアを獲得し、8月5日には満塁ホームランを打った。さらに、8月25日には、楽天が香川のヨナウィル・フロリモンとの育成契約合意を発表し、27日に育成選手として登録された。
選手の移籍の流れは、どんどん早くなっている。独立リーグが始まって21年がたち、四国アイランドリーグPlusは、単なる地域リーグの域を脱し、測定会をはじめとするさまざまな情報発信を通じて、存在意義を高めている。


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