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ビジネス #AI・半導体 需要爆発

〈もう工場実装が進むフィジカルAI〉産業ロボットの雄ファナックがグーグルの独占オファーに応じず貫くオープン化の肝

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手書きのメモを読み取り部品をピックアップ(編集部撮影)

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「黒いネジ」「灰色のボルト」――手書きのメモをカメラで読み取ると、ロボットが指定した部品をトレーに並べて差し出した。産業用ロボットの雄であるファナックが山梨県忍野村の本社ショールームで披露するのは、グーグルの法人向け生成AI「ジェミニ・エンタープライズ」を活用したシステムだ。AIが指示や物体を認識し、ロボットを動かす「フィジカルAI」の用途が広がっている。
土台となったのが、2025年12月に打ち出した「オープン化」だ。ロボット開発の共通基盤「ROS 2」やプログラミング言語「Python」に対応し、外部のAIを組み込みやすくした。エヌビディアのシミュレーション基盤との連携に続き、今年5月にはグーグルとの協業を発表。AWSとも連携を進めている。
昨年以降、フィジカルAI関連受注は数千台規模に膨らんでいるという。「オープン化がこんなに喜ばれることなのか、という驚きは正直あった」。ロボットの研究開発を統括する安部健一郎常務執行役員も反響の大きさに驚く。
とはいえ、年間10万台超のファナックのロボット出荷規模に照らせば、普及はまだ初期段階だ。自動化が難しい工程に、どこまでフィジカルAIの用途を広げられるのか。安部氏に手応えと課題を聞いた。

サイコロを転がすロボットから、顧客の用途が広がる

――昨年12月にオープン化を発表してから半年あまり。反響は想定どおりですか。

想定以上だった。「一緒に使いたい」「こういう課題を解決したい」という具体的な相談が、怒濤のように入ってきている。以前は人手でやるしかないと諦めていた顧客が、「そんなことができるのか」と考えるようになった。

具体例を見せたことも大きい。Pythonというプログラミング言語で使えるといっても、それだけでは何ができるかわからない。ロボット展で実演を見て、「自分の現場ならこう使える」と発想を広げてもらえた。

――昨年12月、東京ビッグサイトで催された国際ロボット展ではエヌビディアの協業事例を4点展示しました。特に反応がよかった実演は。

マイクを通して言葉で指示すると、サイコロを転がしたり、積み上げたりする音声認識ロボットだ。来場者に「好きなことを指示してください」と言えるところまで開発した。

2025年12月に開かれた国際ロボット展では、エヌビディアとの協業成果の一端をアピールした。「サイコロを転がして」と口頭で指示をするとロボットが言葉を理解して動作する(撮影:梅谷秀司)

当初は英語、日本語、中国語に対応すると説明していた。従業員が動作を確認できるのが、その3言語だったからだ。その後、台湾やベトナム、フランス、イタリアなど、海外のお客さんが次々に試してくれた。私たちは何を言っているのかわからない。でもロボットは理解して動く。「正しくできましたか」と聞くと、「ばっちり、ばっちり」と。今では100カ国語対応と説明している。

サイコロを転がす自動化なんて、本来は製造現場にはいらない。でも、それを見た現場の方が自社での用途を考え、すでに導入が始まっている。

――年初に公表したフィジカルAIに関連する受注数千台は、実証実験向けですか。それとも、生産現場への導入が進んでいますか。

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