有料会員登録
ライフ

「騒音トラブル解決人に聞く」隣人が原因とは限らない! 騒音発生源は50m先の地下だった?!「科学的エビデンス」収集術

21分で読める
生活騒音注意の書面イメージ
騒音の意外な発生源から、マンションの騒音トラブル解消のポイントまで解説 (写真:花咲かずなり/PIXTA)
2/8 PAGES
3/8 PAGES
4/8 PAGES
5/8 PAGES
6/8 PAGES
7/8 PAGES
8/8 PAGES

■リスクが低い間取り例:
最上階、角住戸、階段状住戸、雁行型(がんこうがた)住戸

下階とずれが生じる階段状住戸(左)、真横に住戸が並ばない雁行型住戸は、騒音リスクが低いといえる(写真:torizu(左)、Brunch(右)/PIXTA)

■間取りで確認すべき3つのポイント:

チェック項目 確認内容 理由・対策
隣戸との部屋の並び 寝室の隣に「相手の浴室」がないか 浴室が近い場合は遮音性能を確認。逆に「クローゼット」が挟まれていると音は伝わりにくい
共用設備との距離 エレベーターやパイプスペース(PS)の配置 機器の動作音や排水音が響くリスクがないか確認
性能・周辺環境 営業担当への確認/周辺環境の現地調査 防音・遮音性能の「具体的な数値」や、強いビル風が吹かないかをチェック

「壁耳チェック」「夕飯時内見」…騒音トラブル回避のための中古物件下見術

次にマンション内見時のチェックポイントです。特に中古マンションでは、既に人が暮らしているだけに、より具体的な確認ができます。

「まず、耳を直接隣戸に接する壁に押し当ててみること。話し声やテレビの音などは空気を伝搬した後、壁に当たって固体伝搬音になり、壁が揺れて、隣戸の室内の空気を振動させる空気伝搬音となって隣人の耳に届きます。壁に耳を押し当てることで、こちらの住戸の空気という媒質を経る前に隣の住戸の声などを聞くことができるわけです。極端な例では、壁に耳を押し当てて、隣の住人が見ているテレビ番組の内容が分かってしまうようでは、騒音トラブル発生のリスクは高いと言わざるを得ません」

素朴な方法ではあるが、騒音トラブルの元を察知するのに有効な「壁耳チェック」(写真:cba/PIXTA)

下見に訪れる時間帯もポイントだといいます。

「周辺環境や施設の種類によって音の発生状況が異なるため、可能なら、平日と休日の昼間と夕方~夜はそれぞれ見学したいところです。仮に近くに小学校や保育園がある場合、子どもたちの声がうるさそうと思われがちですが、在宅ワークがなく、在宅時間と重ならなければ影響は受けにくいでしょう。逆に在宅ワークが多く、子どものやや甲高く、高い周波数の声が気になる方は注意が必要です」

事情で内見の時間帯が限られる場合は、平日の夕方~夜を選ぶと良いそう。

「平日の夕方~夜が、隣接住戸に暮らしている住人のほとんどがそろい、炊事、食事、テレビを見ながらくつろぐ、入浴するなどの音の発生を伴う行動が集中しがちだからです。日中に行って日当たりの具合を確認するのももちろん大切ですが、騒音の観点から言えば、夕方~夜が良いと思います。後々後悔しないためにも、仲介会社にお願いして複数回確認していただきたいですね。また、その際には上下左右の住戸の入居家族の構成も可能な範囲で教えてもらうと良いでしょう」

下見したマンションの掲示板に、騒音トラブル注意喚起の張り紙が掲示されていた場合、やはりリスクが高そうといえるでしょうか。

「まず、その掲示物がいつ貼られたものかを確認しましょう。例えば、掲出後半年以上経過していると、騒音以前に情報更新の意識が低く、管理組合の取り組みが行き届いてないマンションだと考えることもできます。仮に掲出して1カ月以内だとした場合、確かに騒音のトラブルはあるのかもしれないが、問題が発生したらすぐ管理組合が動いてくれるマンションである、と一つの目安として参考になると思います」

録音した音声やメモを根拠にして、マンション管理組合・管理会社にサポートを仰ぐことがトラブル解消に近づく方法ですと語る鈴木所長(撮影:片山貴博)

■内見時の騒音チェックポイント

チェック項目 具体的な方法・タイミング 判断の基準・チェックの理由
① 壁耳チェック 隣戸に接する壁に直接耳を押し当てる 隣のテレビ番組や話し声が判別できるレベルなら騒音リスク高(部屋の空気を介する前の音を直接確認できるため)
② 見学の時間帯 平日の夕方~夜がベスト
(可能なら平日・休日の昼夜それぞれ)
住民が揃い、炊事・入浴・テレビなどの生活音が発生しやすい時間帯だから
※在宅ワーカーは昼間の周辺環境(学校など)も確認
③ 掲示板の張り紙 騒音注意喚起の張り紙の「日付」を確認 【1か月以内】 トラブルに対し管理組合がすぐ動く健全な体制
【半年以上放置】 管理機能が停滞している可能性あり

マンションでの騒音トラブルを未然に防ぐためには、音環境を意識した物件確認が大切です。それでも入居後、万が一音のストレスを感じた場合は、感情的にならず、できるかぎり情報を“見える化”“聞こえる化”することが、問題解消への第一歩となりそうです。

【まとめ】
・マンション騒音の発生源で最も多いのは、隣接する上下左右の住戸だが、空気や建物の構造を伝わり、意外な場所から届くこともある
・代表的な騒音には生活音のほか、給湯器が発する「釜鳴り」、エレベーターの駆動音などがある
・騒音ストレスを感じても、原則として発生源とおぼしき住人へ直接クレームは避け、まず管理組合・管理会社に相談するべき
・管理組合を説得する材料としては、
①適切な機材を活用して収録した騒音の音声データ、
②発生日時や音の種類などを記録したメモ、
以上の2点セットが有効
・騒音トラブルを回避するなら、住まい選びでは隣接する住戸や共用施設との位置関係、周辺環境などを確認。下見は夕飯時をはじめ、複数の時間帯でチェックすることが理想
●取材協力
日本音響研究所

 取材・文/保倉勝巳

SUUMOジャーナルの関連記事
子育て世帯に幸せをもたらす家の条件は家族の安心と快適さ。心と体の健康のために欲しいものとは?
「趣味は自宅で」が約8割、しかも“寝室で”という人も!趣味を楽しむための住まいの工夫とは?
マンションの騒音トラブルはどう対処する? よくある実例と対策

こちらの記事もおすすめ

あなたにおすすめ

ライフ

人気記事 HOT

※過去1ヶ月以内に配信した記事の閲覧数