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「ゴーストライター騒動」から12年…佐村河内守さんの「作曲指示書」をAIに読ませてみたら、"意外な真実"が見えてきた

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佐村河内守
当時、謝罪会見を開いた佐村河内守さん(写真:2014年3月7日、弁護士ドットコム撮影)
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──今回の試みを通じて、指示書や当時の騒動に対する見方に変化はありましたか。

もともと私は、佐村河内さんの作曲指示書について、その情報量の多さから、創作行為として一定程度評価できる部分はあると考えていました。少なくとも、単なる曖昧な注文書というよりは、かなり具体的な設計図に近いものだったと思います。

今回AIに読ませて実際に楽曲として出力されたことで、その印象はむしろ強まりました。指示書の中には、曲の構成や雰囲気、展開についてかなり細かい情報が含まれていて、それをもとに別の主体が音楽として具体化できるだけの内容になっていることは、今回の実験でも感じました。

もし佐村河内さんが当時「作曲家」ではなく、プロデューサーやディレクターのような肩書きで活動していたのであれば、受け止められ方はかなり違っていたのではないかとも思います。

一方で、2014年当時と現在では、AIを使った創作をめぐる環境や価値観が大きく変わっているので、今の感覚だけで当時の騒動を単純に評価し直すのは難しいとも感じています。

「佐村河内さんはAI作曲時代に適性があったのでは」

──もし2014年当時、現在と同じような性能の生成AIが存在していたら、あの騒動は起きていたと思いますか。

AI作曲をめぐる権利関係や、どこまでを人間の創作として扱うのかについては、今も議論が続いている部分だと思います。

また、当時の騒動は、作曲そのものだけではなく、複数の要因が絡んでいたと記憶しているので、「AIがあれば騒動は起きなかった」と単純には言えないと思います。

ただ、個人的には、あれだけ具体的で情報量の多い指示書を書けるという点で、佐村河内さんはAI作曲時代に適性のある人物だったのではないかと感じています。

──今回できあがった曲の「作曲者」は、いったい誰だと思いますか。

今回の曲について、誰か一人を「作曲者」と決めるのは難しいと思っています。むしろ、生成AIが入ってくることで「作曲者とは誰なのか」という定義そのものが曖昧になってきていて、今後さらにその傾向は加速していくのではないかと思います。

これは音楽だけではなく、イラストや文章など、生成AIが関わる創作全般に言えることだと思います。人間が構想や指示を出し、AIが具体的な表現に変換するような制作が増えていく中で、これまでの「一人の作者が作品を作る」という捉え方だけでは整理しきれないケースが増えていくはずです。

その結果として、「作曲者」「作者」といった言葉の定義や、創作に対する社会の価値観、権利の整理なども、少しずつ新しい形にアップデートされていくのではないかと考えています。

【プロフィール】帰宅 / kitaku
AI Sound Creator。インディーズバンドでの活動と作編曲の経験を生かし、生成AIを活用した音楽制作を行う。現在は、架空のアーティスト「Lala_Snow」「春眠倶楽部」の2プロジェクトをプロデュース。
Xアカウント:@fuyu_ru_ruru
note プロフィール:https://note.com/wise_auklet5699

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