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ライフ #廃墟モールの経済学

「20億円以上の公的資金が投入→民事再生し再出発→結局、破産」…終わらせられない「岩手の廃墟モール」負動産化の現実

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岩手県 メイプル
岩手県の旧水沢市にある「メイプル」(写真:筆者撮影)
  • 坪川 うた ショッピングセンター研究家・ライター
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「メイプル」の周辺では、国道4号沿いに郊外型店舗が集積し、新たな商業地を形成していた。

ロードサイド店が並ぶ国道4号(写真:筆者撮影)

そこで「メイプル」が採ったのは、公的施設を入れるという道だった。

地下1階に「市民プラザ・マッセ」などを入れ、奥州市は公共スペースへの運営補助として毎年約3200万円を支出するほか、リニューアル後5年間は固定資産税を半額にする優遇措置をとった。

“終わらせない”ために公的資金を投入

しかし前編で詳報したように郊外への消費流出が止まらず、2019(平成31)年2月に核テナントのジョイスが撤退。2019(令和元)年6月には食品スーパーのマルイチが出店したが、空き区画が目立つ状態だった。

2021(令和3)年、「メイプル」のボイラー設備の更新が必要となったが、水沢クロス開発にはその費用を負担できる余力も残っていなかった。そこで更新費1430万円のうち、1300万円を市が補助することに。これには市議会にて反対意見も挙がったものの、ボイラーを更新しなければテナント撤退につながることから、補正予算が賛成多数で可決された。

市は水沢クロス開発に対し、2006(平成18)年度から16年間で補助金と賃料の合計約8億6000万円を支出していた。

厳しい状況のなかで水沢クロス開発や市、商工会議所などは「メイプル」の存続に向けて協議してきたが、2022(令和4)年11月、水沢クロス開発が「メイプル」を2023(令和5)年4月末で閉店すると公表。さらに資金が枯渇していることから、閉店が早まる見通しとなった。

閉店発表を受け市は、2023年1月〜4月末までの光熱水費約3700万円を負担する考えを提示した。市がここまで補助を行うのは、「メイプル」に10を超える公的施設が入居しており、「メイプル」の閉店が早まると市民生活への影響を避けられなかったからだ。

水沢クロス開発は、同年5月に盛岡地裁水沢支部から破産開始決定を受けた。負債総額は2億9543万円。販売管理費が売上高を大幅に上回り、2021(令和3)年決算では約5631万円の営業損失を計上していた。

やはり「メイプル」は、商業施設として事業が成り立つような状態ではなかったのである。

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