2002(平成14)年6月、郊外型の競合店の影響などにより売り上げが減少した核テナントのジャスコは、「メイプル」を所有・運営する水沢中央ビルに撤退を申し入れた。2004(平成16)年6月には撤退を延期することが決定されたが、最終的な閉店の意向は変わらなかった。
このとき当時の水沢市長は「何が何でも、今年度中に国の制度の適用を取り付け、再生をしたい」と述べている。(『朝日新聞』2004年6月4日)
国の制度とは、中心市街地の再生のため商工会議所や第三セクターを対象に支援する「中心市街地等商店街・商業集積活性化施設整備費補助金」、通称「リノベーション補助金」だ。市は中心市街地の空洞化を避けるため、「メイプル」の商業機能を維持する考えであった。
補助要件を満たすため、水沢市、中小商業者、水沢商工会議所が出資し、新運営会社の水沢クロス開発を設立した。
2005(平成17)年5月、「メイプル」床面積の約7割を占めるジャスコの撤退に伴い、「メイプル」も閉店した。
補助金を得て商業施設として再出発
閉店に先立ち2005(平成17)年4月、国が「メイプル」の再生事業に対して補助金を交付する方針を固めた。再生事業費約7億9600万円のうち、約3億8000万円を国と県とが半分ずつ支出し補助することになった。市も補助した。
国、県、市の補助を受けた「メイプル」は、2006(平成18)年4月にスーパーのジョイスを核テナントに迎え入れてリニューアルオープンを果たした。
だが、この時点ですでに「メイプル」が商業施設として繁栄するには厳しい状況だったことがうかがえる。
まず、もともと「メイプル」を運営していた水沢中央ビルは、2005(平成17)年7月に民事再生手続きを申し立てている。初期投資と金利負担から経営が厳しく、負債総額は約26億9000万円にのぼった。
新しい核テナントのジョイスは、水沢市中心街へ進出する予定はなかったが、水沢クロス開発からの熱心な要請を受け、地域貢献の観点も踏まえて出店を決めたと明かしている。ジョイスも主戦場を郊外に置いていたのだ。ジョイスの社長は、「市街地活性化は決して簡単なものではない」とも強調していた。(『胆江日日新聞』2006年4月6日)
胆江日日新聞も「郊外型店舗の買い物スタイルが定着している今、メイプルを取り巻く環境は、依然として厳しい状況にある」と報じている。(『胆江日日新聞』2006年4月7日)


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