周辺の商店街も含めて商業地らしいにぎわいはなく、閑散としている。
このような状態となった「メイプル」だが、開発時から2005(平成17)年の一度目の閉店、2023年の二度目の閉店を経て今に至るまで、国や県、市から多額の公的資金が注ぎ込まれている。
本稿では、「メイプル」と公的資金をめぐる問題を掘り下げていく。
中心商店街の活性化のために建設された
「メイプル」が立地する場所は、2006(平成18)年2月に周辺市町村と合併して奥州市となるまで水沢市だった。水沢市は江戸時代から商業が盛んで、商業の街として知られていた。
水沢市の中心市街地は、JR水沢駅からT字に連なる駅前通り、横町、大町の3つの商店街で形成されている。ところが駅前通りへの大型店の立地が集中したことで、横町と大町は衰退傾向にあった。
そこで横町商店街の活性化、および買い物客の市外流出を防止すること、都市間競争に打ち勝つことを目指して開発されたのが「メイプル」である。
1975(昭和50)年に横町共同店舗建設準備会が発足。1977(昭和52)年に横町一番街整備構想が発表され、1981(昭和56)年に地権者で構成する横町一番街市街地再開発組合が設立された。
準備会の発足から10年の時を経て、1985(昭和60)年11月に晴れて「メイプル」がオープンした。核テナントのジャスコと60の専門店が出店した。
この「メイプル」の建設時点で約54億円の支出のうち、7億3900万円が補助金で賄われた。


※ログイン後、コメント入力が可能です。