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ライフ #廃墟モールの経済学

「核テナント・ジャスコの売り上げが激減→契約満了を待たずに撤退」…失敗繰り返した「岩手の廃墟モール」衰退の背景

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廃墟モール「メイプル」
岩手県奥州市にある商業施設が衰退した要因とは?(写真:筆者撮影)
  • 坪川 うた ショッピングセンター研究家・ライター
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さらに前沢町のほかにも、車で30分ほどの距離の北上市に郊外型の大型モール「パル」や、1986(昭和61)年オープンの「北上開発ビル」(現・おでんせプラザぐろーぶ)などの競合も存在した。

北上市の大型モール「パル」。オープン当時の核テナントはジャスコだった(写真:筆者撮影)
過去はイトーヨーカドーを核としていた「おでんせプラザぐろーぶ」。現在、スーパーはなく、居酒屋や事務所、クリニックが入っている(写真:筆者撮影)

そして2002(平成14)年6月、ジャスコを運営するイオンから水沢中央ビルへ、2004(平成16)年6月での撤退を申し入れる文書が届いた。ジャスコは水沢中央ビルと20年間の賃貸借契約を結んでおり、満了は2005(平成17)年11月だったが、それを待たずに撤退の意向を示したのである。

理由は売り上げの低迷だ。ジャスコの売り上げはピーク時の6割にまで激減していた。ジャスコは地元の要請を受けて営業期間を延長したが、2005年5月に閉店。同時に、「メイプル」も幕を下ろした。

厳しい商圏のなか商業施設として復活

水沢市は「メイプル」の再生を目指した。水沢市、中小商業者、水沢商工会議所が出資し、新運営会社の水沢クロス開発を設立。前運営会社の水沢中央ビルは多額の負債を抱え、民事再生手続きを行った。

リニューアルにあたり、「メイプル」は日本ショッピングセンター協会とコンサルティング会社の支援を受けた。その際、日本ショッピングセンター協会は「商圏に対して施設が大きすぎる」と指摘している。

商業施設は大型であるほど多種多様なテナントが必要となる。ファッションや宝飾品などのテナントは食品や日用品に比べて来店頻度が低い。そのため、より広い範囲から客を集めなければならない。

郊外や周辺市町村に競合施設が立地して商圏が狭まった「メイプル」は、広域からの集客が難しくなっていたのだ。

それでも「メイプル」は、旧水沢市の中心となる商業施設としての復活を目指した。当初は2005(平成17)年9月のリニューアルオープンを予定していたが、テナントとの条件交渉や改装工事の遅れにより延期を重ね、2006(平成18)年4月にリニューアルオープン。テナントは40店舗で、核テナントには県内食品スーパー大手のジョイスが入った。

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