このアーケードを端まで歩くと、左手に廃墟モールが見えてくる。「メイプル」だ。
「メイプル」は東棟と西棟の2つの棟で構成されている。アーケードに面している東棟入り口の外扉を開けると、風除室の内扉はほとんど封鎖されている。
開放されている一部の扉から館内へ入れるが、白い幕が掛けられており1階フロアに立ち入ることはできない。すぐそばに「地下はやっています お越しください♪」と明るく掲示されている。
地下にはハローワークコーナーやシルバー人材センター、勤労者福祉サービスセンターといった公的施設が入居している。椅子と机が置かれ、市民が自由に休めるスペースもある。だが、利用者はまばらで閑散とした様子だ。
中央のエスカレーターはシャッターで覆われ、利用できない。階段で上層階へ上がっていくと、2階、3階、4階はシャッターで閉ざされ、「営業店舗ありません」と書かれている。
「メイプル」のメインである東棟はすべてのテナントが撤退し、地下の公的施設と屋上駐車場以外は使われていないのだ。
西棟は、奥州市上下水道部お客様センターやまちなか交流館といった公的施設や駐車場が主な用途となっている。
なぜ「メイプル」は衰退してしまったのだろうか。
水沢市の中心商業施設としてにぎわった
「メイプル」は1985(昭和60)年11月にオープンした。
ここは、2006(平成18)年2月に合併して奥州市となるまで水沢市だった。その水沢市の中心市街地に位置する「横町一番街市街地再開発事業」として建設。土地の地権者たちが出資して設立した水沢中央ビルが建物を所有し、運営を担った。
東棟の地下1階〜地上3階は核テナントのジャスコのほか、地権者の専門店、一般テナント、4階はレストラン街と駐車場で構成。西棟1階〜2階は主に地権者の専門店、3階〜5階は駐車場とされた。専門店は合計60店舗であった。


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