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福島第一原発事故で「国の責任」を否定した最高裁判事…退官後、別の原発訴訟で東電側に立つ《巨大法律事務所》顧問に

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福島第一原子力発電所
原発をめぐる日本の危機管理と、最高裁判事の退官後の動きについて取り上げます(写真:collect/PIXTA)
  • 瀬木 比呂志 法学者、著述家、明治大学名誉教授

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福島第一原発事故から15年。原発再稼働が進む一方、避難計画や司法をめぐっては今なおさまざまな問題が指摘されています。
本記事は『法律家が見た日本社会の病理』より一部抜粋・再編集。原発をめぐる日本の危機管理と、最高裁判事の退官後の動きについて取り上げます。

原発は、事故が起こった場合の結果について考えるなら、大きなリスクといえる。元々地震国、火山国、人口密集国である日本に54基もの原発(福島第一原発事故当時の数)を建造するのは、どう考えても異常なことだった。

その建設についても、活断層の上に原発がある可能性が高い(敦賀。原子力規制委員会の有識者会合による認定)、幅の狭い半島の根元の部分に原発がある(伊方。陸上避難困難)など、事故のリスクをおよそ考えていないような、無謀なものさえある。

「日本では過酷事故は起こらない」と信じられていた

2011年の福島第一原発事故以前には、日本の原子力業界・行政においては、一般的にいえば、① 「全交流電源喪失は30分以上続かない、全電源喪失は起こらない」、② 「日本では過酷事故は起こらない」、③ 「日本の原発の原子炉格納容器は壊れない」という非科学的、非論理的、非合理的な三つのドグマが、無条件の前提として信じられていた。これらは、いずれも、どの国の人間に告げても絶句される事柄なのである。

その結果として、福島第一原発事故では、津波により全電源が喪失しても電源車がなく、電源車到着後も、プラグがあわずボルト数も異なるためすぐには接続できないという状況の下でメルトダウンが起こり、一号機の原子炉建屋が水素爆発を起こして大破した(後に三、四号機建屋についても水素爆発)。

また、一号機から三号機までについては、格納容器が決定的に破壊されて東日本壊滅に至る(東京をも含め東日本居住の3000万人が退避を強いられる)事態も起こりえた。それらがなぜ決定的に壊れなかったのかについては、今なお十分には解明されていない。

四号機についても、燃料プールの水がなくなれば同様の事態が起こりえたが、そうならなかったのは単なる偶然の結果だった(NHKメルトダウン取材班『福島第一原発事故の「真実」』〔講談社〕、添田孝史『東電原発事故 10年で明らかになったこと』〔平凡社新書〕等)。以上の経過については、「神風が吹いたのと同じだ〔そのくらいの偶然で致命的な結果を免れただけだ〕」という人もあり、全体としてみればそのとおりであろう。

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