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リベラルはなぜ大衆を見下すのか 分断の真因「エリート支配」に挑む、アメリカ新右派の「ポストリベラル」思想

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アメリカのトランプ大統領とヴァンス副大統領
アメリカのトランプ大統領(左)とヴァンス副大統領(右)(写真:© 2026 Bloomberg Finance LP)
  • 会田 弘継 ジャーナリスト・思想史家

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共和党と民主党との激しい対立が続く現代のアメリカ政治。しかし、真の分断は「右対左」ではなく、「エリートと大衆」の間にあるのではないか。次期アメリカ大統領候補ともいわれるヴァンス副大統領に最も影響を与えている思想家、パトリック・J・デニーン教授の新刊『リベラリズムからの体制転換:ポストリベラルと共通善保守主義』に寄せられた会田弘継氏による日本版解説から、アメリカ政治の底流で起きている地殻変動を読み解く。

行き詰まるリベラリズムと「ポストリベラル」の台頭

本書はアメリカの政治学者でノートルダム大学(インディアナ州)教授のパトリック・J・デニーンの著書Regime Change: Toward a Postliberal Future (Sentinel, 2023)の全文翻訳である。

『リベラリズムからの体制転換: ポストリベラルと共通善保守主義』(書影をクリックすると、アマゾンのサイトにジャンプします。紙版はこちら、電子版はこちら。楽天サイトの紙版はこちら、電子版はこちら)

デニーン教授は「ポストリベラル」と呼ばれる思想家の代表的論客で、建国以来のアメリカのリベラリズムは行き詰まったと説く前著『リベラリズムはなぜ失敗したのか』(原著2018年、邦訳2019年)は内外で大きな反響を呼んだ。本書は、その続編にあたる。

リベラリズムの後にきたるべき政治思想はいかなるものか、どのように新しい政治体制をつくりあげていくべきか、を論じている。

前著は、長い思索を経て2016年大統領選挙の投票日前に書き上げられた。

同選挙で左右の激しいポピュリズム現象が起き、共和党側ではドナルド・トランプ氏が初当選し、民主党側では民主社会主義者を名乗るバーニー・サンダース上院議員があと一歩で大統領候補になるという事態になったことから、その背景をえぐる本として、バラク・オバマ元大統領に評価されるなど広く注目を集めた。

それから5年後に出た本書は『ニューヨーク・タイムズ』紙など主要紙誌の書評などで、今度はむしろ論争を呼ぶかたちで取り上げられることになった。著者の思想的立場が、リベラリズムの側に立つ主要紙誌と対峙することがはっきりしたのが影響したと思われる。

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