有料会員登録 東洋経済オンラインとは
ライフ #開業医がこっそり教える医療のリアル

彼女の発見なくして有名女優の"予防的乳房切除"はなかった…開業医が尊敬する「遺伝性乳がん」研究者の信念を貫く生き方

9分で読める
メアリー=クレア・キング
若き日のメアリー=クレア・キング(写真:Science Photo Library/アフロ)
  • 松永 正訓 医師・ノンフィクション作家
2/8 PAGES
3/8 PAGES
4/8 PAGES

研究を進める中で、彼女は乳がんが多発している家系に出会う。もしかして、遺伝性の乳がんという病気があるのではないか?

少しでも情報が入ってくれば彼女は現地に飛んで詳しい聞き取りを行い、家系図を作って血液検査もさせてもらった。いわゆるフィールドワークだ。

こうした家系性の乳がんは若い年齢で発症していることが特徴だった。キングは確信した。遺伝する乳がんがあると。

遺伝性乳がんの存在を誰も信じてくれず…

ところがキングが遺伝性乳がんの存在を学会で発表しても、誰も信用してくれなかった。

「がんという病気は遺伝で起きるものではない」

「周囲の環境因子で発がんするもの」

「1つの家系で乳がんが多いのは同じ環境の中で生活しているからだ」

キングは冷笑を浴びた。

それでもキングは信念を貫いた。88年までに1579の家族を調べていた。

その病気が遺伝性かそうでないか。それを確定する方法は1つだけ。その原因遺伝子を取り出すことである。

ヒトの遺伝子の数はおよそ2万2000個といわれている。そこから1個の遺伝子を取り出さなければならない。これは砂浜から一粒のダイヤモンドを拾い上げるようなものだ。

5/8 PAGES
6/8 PAGES
7/8 PAGES
8/8 PAGES

こちらの記事もおすすめ

あなたにおすすめ

ライフ

人気記事 HOT

※過去1ヶ月以内に配信した記事の閲覧数