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ライフ #開業医がこっそり教える医療のリアル

彼女の発見なくして有名女優の"予防的乳房切除"はなかった…開業医が尊敬する「遺伝性乳がん」研究者の信念を貫く生き方

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メアリー=クレア・キング
若き日のメアリー=クレア・キング(写真:Science Photo Library/アフロ)
  • 松永 正訓 医師・ノンフィクション作家
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BRCA1遺伝子が作るタンパク質の働きは、壊れたDNAを修復することにある。DNAというのは、もちろん遺伝子の本体だ。

女性の乳腺や卵巣細胞は女性ホルモンの影響で細胞分裂をよくするので、DNAが盛んに複製される。その分、複製のときの「間違い」が起きる。DNAの一部が切れたりもする。そのときに、BRCA1が直してくれるのである。

BRCA1遺伝子に傷があると、乳がん・卵巣がんになってしまう

でも、BRCA1遺伝子に、生まれつき傷が入っている人は(アンジェリーナ・ジョリーさんもそう)、DNAが壊れても直せない。そうすると、乳がんや卵巣がんになってしまう。

そう、卵巣がんにもなるのである。15年、ジョリーさんは卵管・卵巣も予防的に摘出している。

遺伝が原因で乳がんや卵巣がんに若くして罹る病気を「遺伝性乳がん卵巣がん症候群」という。ジョリーさんが、手術を受けた頃、日本ではこの名称は一般的でなかったけど、今では広く認知されるようになり、また乳房・卵巣の予防切除も保険診療になっている。

乳房・卵巣を失うのは大変悲しいことだが、命を落としてしまうことに比べればはるかにいいだろう。

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