市場の機能のひとつは、マクロ経済や企業からの新たな情報を価格に織り込むことだ。
例えば、企業が決算発表を行ったり、他社の買収の意向を発表したりすると、投資家はその情報が企業の将来的な利益やリスクに及ぼす影響を判断し、株価を見直すことになる。
その際、投資家が行動をどう誤るのかについて、2つの対照的な見方がある。1つ目は、投資家がニュース発表に過剰反応し、好材料に対して必要以上に株価を押し上げ、悪材料に対して必要以上に株価を押し下げる、という見方だ。
2つ目は、投資家がニュース発表に過小反応し、好材料が出ても株価を十分に上げず、悪材料が出ても株価を十分に下げない、という見方だ。
不確実性への向き合い方もさまざま
不確実性はビジネスや投資にはつきものだが、投資家はたびたび不健全(非合理的)な方法で不確実性に対処してしまう。
不確実性と向き合うのが不快なため、不確実性を分析から実質的に排除してしまう投資家(否認)。
不確実性に足がすくみ、動けなくなってしまう投資家(麻痺)。
不確実性が高すぎる投資を選択肢から完全に排除してしまう投資家(回避)。
どの行動も理解できなくはないが、誤った価格付けにつながることもある。不確実性の扱いに慣れた投資家なら、そうした誤りを利益に変えることができるだろう。
行動ファイナンスは、投資家の誤った行動がフレーミング効果から生じるメカニズムを明らかにした。フレーミング効果とは、情報の提示方法によって投資家の意思決定が変わる現象のことだ。
例えば、ある投資のメリットが盛んに強調される一方で、デメリットに関する情報がほとんど与えられないと、投資家はリスクが強調された場合と比べて、その投資を選択する可能性がはるかに高くなる。
行動ファイナンスの先駆者であるダニエル・カーネマンとエイモス・トベルスキーは、この現象を「損失回避」と名づけた。
市場の誤った行動はこれですべてではないが、どの投資哲学も人間の欠点に関する見方に立脚することに変わりはない。


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