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高市改造人事"最大の焦点"は「政界の119番」の処遇、多才な世襲エリートを試す「リリーフからの脱皮」と「閣内残留の誘惑」

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高市首相
公務以外のほとんどの時間を人事をめぐる党内調整に充てているとされる高市首相(写真:ブルームバーグ)
  • 泉 宏 政治ジャーナリスト
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高市政権発足時に総務相に就任した林氏は、その後の10カ月余り、職務に精励する形で精力的に地方行脚を続けている。ただ、その際の講演などでは、あえて「ポスト高市」への意欲をにじませることも少なくない。林氏は高市首相と同学年の65歳で、70歳の茂木氏とともに「ポスト高市が最後のチャンス」とみられていることが背景にある。

そもそも林氏は、自民党内の「リベラルの砦」とされてきた旧岸田派のナンバー2だった。それだけに、党内保守派の中核とされる高市首相とは「政治的には水と油の関係」(自民党長老)であることは明らか。だからこそ、高市首相も林氏の処遇に悩むのだ。

その一方で、旧岸田派での林氏の立ち位置は「総理・総裁候補として盤石とはいえない」とされる。領袖だった岸田文雄元首相との関係は良好とはいえないからだ。両氏の仲介役とみられる有力議員も「2人だけでの会談でも、双方が本音を隠したまま」と苦笑する。

旧岸田派内では、岸田氏の最側近を自認していた木原誠二・元自民党選対委員長らが、昨秋の総裁選で小泉進次郎氏を支援したとされ、同派内での林氏支持は「現状でも半々が実態」といった厳しい指摘もある。

多芸多才な世襲エリートという素顔

2024年の自民党総裁選に出馬した面々。林氏は左から3人目(写真:ブルームバーグ)

林氏の経歴を振り返ると、「典型的な政界エリートの世襲議員」であることがわかる。

父親は林義郎元蔵相で、高祖父が林平四郎氏(衆院議員、貴族院議員)、祖父が林佳介氏(衆院議員)という世襲4代目だ。加えて、母親の林万里子氏の祖父は地元・山口の有力企業である宇部興産(現UBE)の創設者・俵田明氏。政界でも有数の家柄と資産の継承者だ。

政治家としての経歴を見ると、内閣官房長官、外相、文部科学相、農林水産相、防衛相と、重要閣僚を歴任。その一方で、党役員としては、いわゆる党4役に就いたことはない。だからこそ、政界関係者からは「党内閣の要職をほぼすべてこなした茂木氏とは、総裁候補としての格が違う」という指摘も少なくない。

そうした評価の一方で、三井物産時代に磨いた語学力は「政界でも一二を争う」とされている。さらに、ピアノなどの楽器演奏も「趣味の域を超えている」といわれ、外相時代の国際会議出席の際に、ビートルズの弾き語りなどで喝采されたこともある。まさに多芸多才な人物というわけだ。

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