トヨタ「ノア ハイブリッドS-Z・2WD」は23.4km/Lだから、ハイブリッドなのに2030年度企業別平均燃費の目標値に達しない。「シエンタ ハイブリッドG・2WD」は27.6km/Lでクリアできるが、ガソリン車のG・2WDは18km/Lだから未達成だ。
このように2030年度企業別平均燃費基準を達成するには、すべての車両をハイブリッド、充電可能なプラグインハイブリッド、電気自動車のいずれかに置き換えねばならない。そのために燃料消費量の多いガソリン車が次々と廃止されている事情がある。
見直されるべきシンプルなクルマ
ただし、安価で燃費の優れたクルマを求めるユーザーがいる以上、ボディの軽量化、小さな車体で広い室内を得られる空間効率の向上、トランスミッションやタイヤなどの改良による走行抵抗の低減などにより、地道に燃費性能を向上させることも考えたい。
また開発者は「モーターに頼らず、エンジンで燃費効率を向上する余地はまだ残されている」とも言っている。
例えばスズキ「アルト」は、マイルドハイブリッドを搭載しないベーシックグレードの「L」(119万7900円)でも、WLTCモード燃費は25.8km/Lに達し、2030年度企業別平均燃費基準をクリアできる。
アルトは後席が狭いと思われがちだが、実際は十分に広い。身長170cmの大人4名が乗車した時、後席に座る乗員の膝先空間は、握りコブシ2つ半に達する。軽自動車のプラットフォームは、基本的に空間効率を重視した設計のため、天井の低いアルトの後席にも余裕があるのだ。
アルトのように小さくて軽く、空間効率の優れた軽自動車や小型車であれば、高コストなハイブリッドに頼らなくても燃費の優れた車種を開発できる。すべてのユーザーが、クルマに贅沢や見栄を求めるわけではないから、開発する余地は十分にある。
そして小さくて軽く、空間効率の優れたシンプルなガソリンエンジン車なら、原材料、部品点数、生産行程、輸送コストなども最小限で済む。これらもすべて、資源の節約と二酸化炭素の排出抑制に結び付く。小さくて軽く、シンプルなクルマは、環境性能が総合的に優れているわけだ。


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