ここで働いているのが、「素朴実在論(ナイーブ・リアリズム)」と呼ばれる認知の仕組みだ(※1)。
人は、自分が見ているもの(写真や映像)を、ありのままの客観的な現実そのものとして受け取ってしまう傾向がある。写真に写った“はしゃぐ姿”は、撮影された瞬間の一場面にすぎないにもかかわらず、見る側の脳内では「この人物の本質を映し出したもの」として、ほぼ自動的・瞬間的に処理されてしまうのだ。
だからこそ、たとえ2年8カ月前の写真であっても、「昔のことだから」「問題提起された今は反省しているだろう」という見方はされない。むしろ「今も変わらない、この人の本性」として、そのまま現在の評価に直結してしまう。
写真は「過去の記録」のはずなのに、受け手の脳内では「現在進行形の人物像」として扱われやすいという、時間軸のねじれがここにある。
なぜ大田県議だけが突出して炎上したのか
同じ写真には複数の県議が写っており、豊福るみこ県議も9月4日に謝罪と、タイ友好議員連盟事務局次長の辞任と、すべての国際交流に関する議員連盟からの退会を表明している。しかし、最も炎上し、代表辞任という最も重い決断に追い込まれたのは大田県議だけだった。
この差を説明するのが「対応バイアス」と呼ばれる現象だ(※2、※3)。


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