ちいかわファンが敏感になった背景には、「人気作のキャスティングあるある」もある。話題性のあるアニメ映画では、宣伝効果を狙って、俳優や歌手、芸人をゲスト声優として起用することが珍しくない。
しかし『人魚の島のひみつ』は、その形を取らなかった。ちいかわ、ハチワレ、うさぎをはじめ、テレビアニメ版の主要キャストが続投した。映画で加わった主要人物も声優を中心に配役され、俳優や芸人を宣伝の目玉としてゲスト起用する構成にはなっていない。
さらに、原作者のナガノさんが、脚本も担当している。こうした状況証拠から、「有名であっても、すでに世界観を持つ人物を排して『ちいかわ』独自の世界観を保つことが、コンテンツを横展開するうえでの大前提だ」と認識されており、だからこそファンも“有名人むき出し”の投稿には嫌悪感を示すのだろう。
著名人の力を借りずに大ヒットした理由
実際に公開当初から、これまで上映された人気アニメ映画を引き合いに出し、「芸能人による話題づくりがなかったから成功したのではないか」といった声は少なくなかった。そうした評判がある中にあって、より平原さんの投稿には厳しい声が寄せられたと考えられる。
逆に言えば、すでに「ちいかわ」は、著名人の力を借りなくても、自力で大ヒットできるコンテンツであるということだ。そして、その原動力となったのは、ファンの愛と言える。
元々ちいかわは、特異な系譜をたどってきたコンテンツだ。“国民的アニメ”の多くは、雑誌や新聞連載から知名度を高めたが、ちいかわはX上でのマンガ連載がルーツとなっている。


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