2027年3月期からサステナビリティ情報の開示基準(SSBJ基準)に基づき、時価総額3兆円以上の企業を対象に有価証券報告書での開示が段階的に義務化される。時価総額に応じて対象企業は順次拡大し、気候変動や人的資本などの非財務情報の開示・透明化が求められる時代が到来している。すべての企業関係者が知っておきたいサステナビリティ法定開示の実務対応の基本についてご紹介する。
第2回は、SSBJ基準対応の要となる「マテリアリティ分析」の実務ポイントを解説する。
【配信予定】
③GHG排出量開示の法定制度化で算定基盤の再構築が必要に(9月30日)
④温室効果ガスでもう1つの義務制度・GX-ETSには要注意(10月1日)
⑤開示からサステナビリティ経営の高度化につなげる(10月2日)
SSBJ基準対応のマテリアリティ分析
第1回では、サステナビリティ情報の法定開示に関して概観するとともに、報告プロセスに関する実務対応について述べた。第2回の今回は、「マテリアリティ分析と開示内容の特定」を取り上げる。
SSBJ(Sustainability Standards Board of Japan:サステナビリティ基準委員会)基準対応でのマテリアリティ分析は、下図の通り、2つのフェーズに分かれる。なお、本稿では便宜上、ここで示した一連の流れを「マテリアリティ分析」と総称している。
まず、フェーズ1として、リスクと機会の識別がある。SSBJ基準における開示では、企業の見通しに影響を与えると合理的に見込みうるリスクおよび機会を開示することが求められ、このリスクおよび機会を識別するフェーズとなる。続くフェーズ2では、フェーズ1で識別したリスクおよび機会に関する重要な情報を識別することとなる。
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