入居にあたっての条件は2つ。複数路線とアクセスできるビル。そしてオフィスの使い勝手だ。「広さを含めて空いているオフィスはたくさんあったが、飛び飛びでフロアが空いているオフィスを借りてもあまり意味がない。連続してフロアが借りられるオフィスを探すのは少し大変だった」。そんなときにキャッチしたのが、今回のビルの情報だ。
MSH日本橋箱崎ビルは三井倉庫ホールディングスが保有し、1989年に竣工した。日本IBMが1棟借りし、「IBM箱崎ビル」と呼ばれていた時期もあった。その後、IBMの本社機能移転に際し、空いたスペースを貸し出すことになり、大規模リニューアルを実施した。
来客エリアは「駅のホーム」
同ビルはメトロ半蔵門線水天宮前駅から徒歩3分。メトロ東西線・日比谷線の茅場町駅、都営浅草線の人形町駅からも徒歩圏内にあるため、交通アクセス面でのニーズも満たす。旧本社の執務エリアの床面積は約8200平方メートルだったが、新本社では3フロア合計で約1万平方メートルの執務スペースを確保した。
11階の来客エリアに足を踏み入れると、初めて訪れた場所にもかかわらず、なぜか既視感がある。「地下鉄の駅のホームをイメージしています」と担当者が語る。 奥行きのあるスペースに長いすが置かれ、天井から時計や案内板が吊り下げられたデザインは確かに駅のホームを連想させる。柱と天井をつなぐ金属の装飾はパリのメトロでおなじみのアールヌーヴォーか。渋谷駅ホームの天井デザインにもどことなく似ている気がした。

