そんな福田さんが知能の高さを知ったきっかけの1つは、当時学校で行われていたIQテストだった。本来時間内には終わらない仕様になっている問題を、福田さんはすべて解き切ってしまう。「終わらないはずだってことを、知らなかったんです」。
中学校では教員から「IQが高い」と指摘され、具体的な数値を知ったという。
一口に「ギフテッド」と言っても、得手不得手は様々だ。知能検査によると、福田さんは正確でスピーディーな情報処理が得意。ギフテッド支援に携わってきた筆者の主観だが、こうしたタイプの当事者は、比較的学校の勉強との相性が良いように思う。少なくとも表面的には、「勉強ができる優等生」として過ごしてきた、という人も少なくない。
福田さんも、学校生活に大きな問題がなかったギフテッド当事者の1人だ。しかし、自分が「ふつう」ではない、ということは、何となく感じていた。
「小学校の頃から、明らかに人と違うのはわかっていました。周りから『頭が良い』とか色々言われてはいたし、実際にできてしまうし。正直、自覚はずっとあったんです」
「心を閉ざしていた」子ども時代
性格の面では、どんな子どもだったのか。
「小さい頃から、人の表情をよく見るタイプでした。先生の様子をうかがいながら行動していて、こういうときはおとなしくしておこう、みたいな。怒られることはあまりなかったですね。
例えばテストが早く終わっても、消しゴムで消して、もう1度解き直したりして。早く終えると目立つので、自然とそうするようになりました」
当時住んでいたのは、子どもが沢山いる社宅。4歳下の妹がいたこともあって、年下の子どもたちの面倒をよく見ていた。「妹の友達同士のもめ事を止めたりもしていました。なんというか『与える側』に回ることが多かったですね」。
「与える側」としての行動は、友人関係でも発揮された。あるとき、福田さんの友人の1人が、同級生をいじめていたことがあったという。ギフテッド特性の1つには正義感の強さがあるため、「いじめや悪いことが許せなかった」という話は当事者からよく聞くものだ。しかし、福田さんが当時取った行動は、一味違っていた。
「波風立てないように、上手くいじめっ子を説得しました。相手をよく観察して、悪いことだってわかってもらえるように伝える、みたいな感じで。最終的には、いじめっ子もいじめられっ子も仲良く遊べるようになったんです」


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