破産清算は通常、単一の法人を対象とする。しかし中国の不動産企業の発展パターンは独特で、業界の最盛期には全国各地で多くのプロジェクトを立ち上げ、それに伴い、地域会社やプロジェクト会社の設立や株式保有を行ってきた。さらに、事業分野の多様化のために、複数の事業会社を設立するケースも多い。中国において、大手不動産会社がグループ全体で破産手続き、特に清算手続きに入った前例はない。
恒大地産に先立ち、同社の支配株主である広州凱龍置業(恒大集団の持株会社の一つ)が破産清算手続きに入っている。広州市中級人民法院は24年8月9日に破産清算申請を受理し、25年5月30日に破産を宣告した。凱龍置業は恒大地産の株式の約60.29%を保有していた。
契約済み住宅124万戸の引き渡し完了
世一法律事務所の陳子濠弁護士は財新に対し、恒大集団が政府主導で進めてきた「保交楼」(未完工の住宅の引き渡し保証)の任務をほぼ完了し、一部のプロジェクト会社や事業の整理も既に進んでいると述べた。中国の経済紙「21世紀経済報道」によれば、恒大地産は26年7月末時点で全国で累計124万戸以上の引き渡しが完了、未引き渡しは1%未満となっている。
恒大集団は21年夏の時点で債務返済が困難になり実質破綻していた。にもかかわらず、法的整理はここまで見送られてきた背景には契約済み物件の完工・引き渡しが進んでいないことがあった。不動産バブルが崩壊する前の中国では、不動産会社の強気姿勢のゆえに、住宅の引き渡し前にローンを組んで購入代金を払いこむ取引慣行が横行していた。この状況下でデベロッパーが破綻すれば、購入者には住宅が引き渡されないままローンだけが残り、不満が爆発しかねない状況だった。
陳弁護士は、恒大地産は150社以上へ投資しており、公開情報によるとその大半が深刻な債務超過に陥っている点を指摘。今後の破産手続きでは、裁判所や管財人が、まだ司法処分に入っていない関連会社を統一的な清算対象に含め、複数法人を一体として処理する「合併破産清算」を検討する可能性があると述べた。
(財新記者:陳博)
※中国語原文の配信は8月21日


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