「これくらい動いているはず」と思っていても、実際にはそこまで動いていない。そうした差が、動きにくさの一因になることがあるのです。
たとえば、子どもの運動会や地域の行事で久しぶりに走ったとき、頭では走れているつもりなのに、足がもつれそうになった。そんな経験はないでしょうか。歩いていて小さな段差につまずく。自分では「十分に脚を上げている」つもりでも、実際には思ったほど上がっていないことがあります。
もちろん、つまずきには筋力や注意の向け方など、ほかの要素も関わります。ただ、こうした「思っている動き」と「実際の動き」の差も、見逃してはいけません。
脳は動きを学び直すことができる
悲観する必要はありません。
なぜなら、年齢を重ねても、脳は動きを学び直すことができるからです。同じ動きを繰り返すことで脳はいくつになっても学習し、覚えるのです。ですので、同じ動きを繰り返す「反復ワーク」は、その助けになります。
そして、頭の中のイメージと実際の動きの差が縮まって、「衰えたかも?」と感じた動作は、前よりスムーズになり、「思ったように動ける」と感じるようになるでしょう。
これは、草むらに道ができるのと少し似ています。草が生い茂っている場所でも、同じところを何度も通るうちに、そこに道ができます。道ができれば、迷わず進みやすくなります。しばらく通らなければまた草が伸びてきますが、一度できた道は、最初からつくるより整えやすい。
体も同じです。繰り返すことでとっさの動きにも対応できるようになるだけではなく、一度覚えた動きはしばらく使わない時期があっても、また思い出し、取り戻しやすいのです。
ふだんの生活の中でも、「意識して体を動かすこと=いまどこをどう動かしているかを意識しながら体を動かすこと」は変化に敏感になり、気づきにつながるため、とても大切です。


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