三菱は「エンジンやトランスミッションの制御など、アクセルレスポンスに直接影響する変更は実施していない。しかし、新旧モデルで車両重量が約20kg軽量化されていることから、その影響でアクセルレスポンスが向上した印象となったのかもしれない」というのだ。
軽量化だけではなく、トライトン全体の動きの一体感が増したことで、結果的にトラクションが上がっているのかもしれないと、筆者は想像する。
原理は「車体への減衰要素の付加」
このように、トライトンの走りは改良により大きく変わったのだが、最大の要因は先に記したヤマハ発動機(以下、ヤマハ)の「パフォーマンスダンパー」の存在だ。
パフォーマンスダンパーと聞いて「耳にしたことがある」「昔からいろいろクルマで採用されているのでは?」と思う人もいるだろう。
今回、改めてパフォーマンスダンパーの技術的な背景、またその事業状況についてヤマハに確認した。
原理は、車体への減衰要素の付加により、車体の変形エネルギーを吸収し、熱エネルギーとして発散させるもの。車体の微小な動きでも減衰効果が発揮できるよう、数々の工夫が盛り込まれている。
その効果は、操縦安定性の向上と乗り心地の向上を両立させ、ワンランク上の上質なドライブフィーリングを実現するというもの。まさに、今回トライトンの商品改良で感じたことだ。
では、そんなパフォーマンスダンパーの技術は、どのようにして生まれたのか。
パフォーマンスダンパーの開発経緯を振り返ると、その原点は、ヤマハが長年培ってきた高性能エンジン開発の中での「エンジン性能を活かすシャシー技術」の研究にある。ヤマハでは、古くはトヨタ「2000GT」など、自動車メーカー向けエンジン開発や生産を手掛けた歴史があるのだ。
具体的にプロジェクトが動き始めたのは、1989年。シャシー技術開発を独自に始め、最初に生まれたのが左右のショックアブソーバーを連結した相互連携アブソーバシステム「REAS」だ。


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