シャバーニと、その息子として生まれたキヨマサ。顔立ちはよく似ているが、飼育員から見れば性格にはそれぞれの違いがある。
シャバーニには群れのリーダーとしての落ち着きがあり、キヨマサには新しいものへ真っ先に向かっていく好奇心と、目の前の課題に粘り強く取り組む若さがある。
フィーダーの仕掛けに対して、キヨマサは枝などの道具を使いながら粘り強く取り組む。一方、群れのリーダーであるシャバーニには、立場ゆえの余裕があるという。
「やっぱりリーダーなので、細かいことをしなくても、美味しいものにはありつけるし、本気を出したら自分がいちばん強いという自信もあると思います。リーダーゆえのゆとりでしょうね。すぐに『まあ、いいか』って諦めてしまいます」
来園者によってSNSに投稿される動画では、キヨマサの表情や仕草が数十秒に凝縮される。飼育員が日々見ているのは、その動画の前後にある長い時間だ。
ゴリラとは「気持ちのやりとりができる」
餌を食べ、遊び、周囲を観察し、飼育員とともに日々を重ねている。飼育員の動きを見ながら行動を変えたり、こちらの意図を読み取っているように感じたりする瞬間もあるという。
飼育員として5年目の川島さんがゴリラの担当になったのは、26年4月から。餌を与えたり、遊んだりする時間を重ねる中で、キヨマサとの距離も近づいていった。
「キヨマサは、人と遊ぶのも好きなので、こう背中を見せて、『掻いて』という仕草をしたりします。ゴリラはいろんなことを考えながら生活していて、私が思っていることもすごくわかってくれていると感じます。気持ちのやりとりができることが楽しいですね」


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