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その電気は誰のためのものなのか…AIのための「格安クリーン電力」の裏で起きている搾取の実態と問われる開発のあり方

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マレーシアのボルネオ島には豊かな自然と豊富な水資源が存在し、先住民はそれらと生活してきた(Mihir Zaveri/The New York Times)
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バクン・ダムにより移住を余儀なくされた、同じくケニャ族のジュナ・リャウ博士(マレーシア・サラワク大学)は「ダムがなければ、私たちは最も豊かなコミュニティのひとつだったはずです」と語った。その豊かさをどう回復していけるのか。

解決策に「収益共有」、ただ限界も

サラワク・ダヤック・イバン協会(SADIA)のアンドリュー・ポール氏は、ダムによる強制移住を経験したコミュニティが取り得る解決策として「収益共有(revenue sharing)」モデルを挙げる。

「持続可能性を保証した新しい生活を前進させる唯一の方法だと思います。そうでなければ、非自発的に移住させられた瞬間から、彼らは誰かの慈悲を永遠に乞い続けなければならなくなるんです」(ポール氏)

前例はある。ニュージーランドのマオリ族は先住民の権利として収益配分の枠組みを確立。ニュージーランド政府によれば、18~23年にかけて、マオリ経済の総資産は690億ニュージーランドドルから1260億ニュージーランドドルへと成長した。カナダやネパールでも、先住民コミュニティへの利益配分モデルがすでに実施されつつある。

「開発は国全体に利益をもたらすだけでなく、その土地に暮らす先住民の人々に利益をもたらすものである必要があります。特に、彼らが選択の自由なしに開発に巻き込まれている場合には、なおさら必要です」(ポール氏)

一方で、BMFのマイヤー氏は収益共有モデルの限界も目の当たりにしてきた。

「過去の例を見ると、投資家や資産家などが得る利益と比べれば、(地域住民が得られるものは)言及する価値すらないほどです。大事なのは、開発の主導権を握るべきなのが彼ら(ダヤックたち)であり、生活向上を目的とした開発プロジェクトについては、最終的な決定権を持つのも利益を得るべきなのもダヤックたち自身だということです。そこは彼らの先祖代々の慣習地なのですから」(マイヤー氏)

マイヤー氏は「これは私たちのためではなく、あなたたちが輸出したいものを作るための開発で、私たちはその犠牲だ」と繰り返し口にする現地住民を見てきた経験から、問いかけるべきなのは「その開発が誰のためのものなのか」であると語った。

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