徳島刑務所で、記者が初めてAさんに面会できたのは、10年ほど前だ。
旧監獄法の時代には、刑務所で受刑者に面会できるのは、親族にほぼ限定されていた。
06年に受刑者処遇法が施行されると、親族だけでなく、知人や友人らも必要性によって面会が認められるようになり、刑が確定する前に手紙などでなんらかの交流があれば、刑務所へ移送後も「業務上の用件がある人」などとして面会できた。
だがその後、運用が変わり、現在は親族以外の面会は厳しくなっている。そのため近年は手紙のやりとりを続けている。
「LB級刑務所」と呼ばれた施設
Aさんが服役する徳島刑務所は、国内にいくつかある特殊な刑務所のひとつだ。数年前まで徳島刑務所に有期刑で受刑していたBさん(男性、40代)は、
「拘置所で、『徳島刑務所に移送』と告げられたときは恐ろしかった」
と振り返る。
徳島刑務所は旧監獄法時代に、「LB級刑務所」と呼ばれた施設だ。無期や刑期10年以上の長期刑で、累犯者など犯罪傾向が進む受刑者が多く収容されている。Bさんが言う。
「受刑者の3割ほどが無期懲役ですからね。到着して他の受刑者と話す中で、自分が有期刑だと告げたら、『短いもんだよ。俺なんて20年以上ここにいるからね。大人になってから娑婆にいたのは10年もない、ずっと刑務所。これからもな』と言われて、殺人で無期懲役の人だと知りました」
ただ、Bさんは、
「恐ろしいところに来たと思ったが、その逆でした」
と言う。
「老人ホームのようでした」

