「私はリスナーに、何を返せるんだろう」
その問いが、配信を変えた。
「何をしたら喜ばれるんだろう」「どんなリアクションがクスッと笑えるんだろう」。小道具を買いに走り、演出を考え、たくさんの言葉を重ねた。
「お金のためにやっているんじゃなくて、リスナーさんと楽しい時間を過ごしたくてやっていることが、結果的にお金になっている。それがすごく嬉しかった」
ライブ配信で超人気に→月収300万円を稼ぐ
やがてプラットフォームをTikTokに移し、リスナーの応援を受けてライブ配信のイベントで上位を連発。月収は100万円を超え、大手事務所にスカウトされた。
ファッション誌の掲載をかけたトーナメントにいつの間にかエントリーさせられていたこともあった。悩みながら戦う彼女を、リスナーたちが情報を調べ上げて後押ししてくれ、ギリギリの掲載を勝ち取った。その頃には月収300万円に届いていた。
「雑誌を父や親戚が読んでくれたんです。会社に行けなくなった『かわいそうな人』だったのに、親戚が喜んでいる。それが嬉しかった」
TikTokでは毎日その日の「日本一」が決まる。彼女はある日、日本一を獲った。そのとき、彼女の胸中にはリスナーへの感謝と同時に、また次のイベント、周年、誕生日と、「これを永遠に繰り返していくのか?」という虚無感が湧いてしまった。総合商社を辞めたときと同じだ。
ちょうど事務所との契約が切れるタイミングが訪れ、彼女はフリーに転身した。
いまの弥生さんは、トップライバーとして自身でも配信を続けながら、自ら立ち上げた事務所で後進を育てている。
総合商社時代の年収も超え、年商3000万円規模の事業を手がける法人代表に。
かつての2択――「苦しい思いをして65歳まで稼ぐか、楽しいことをして生きるか」――の先に、彼女は「楽しいことをして、収入もそれ以上」という道を自ら作った。


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