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2026年7月29日、東洋経済オンラインの有料会員読者向けリアルイベント「TK-HUB」の第5回が、東洋経済新報社本社にて開催された。テーマは「大学」。財務省が示した「2040年までに250~400校削減」案、面接必須で決着した年内入試、受験生に広がる再編への不安——18歳人口の減少が不可避の中で、大学業界は大きな岐路に立たされている。
リクルート進学総研所長でカレッジマネジメント編集長の小林浩氏と、ルートマップマガジン社取締役・編集長で追手門学院大学客員教授の西田浩史氏を招き、6月に発売の『本当に強い大学2026』編集長・岸本吉浩のモデレーションのもと、約2時間にわたる鼎談が行われた。その模様をダイジェストでお送りする。
「赤字私大5割超」の現実と、「大学規模適正化」の波
私立大学の53%が定員割れ——大学経営の足元を映すショッキングなデータに、会場に集まった大学関係者は息をのんだ。18歳人口は2040年に向けて急減する。仮に大学進学率が60%を超えたとしても、現在の入学者数を支えるだけのパイは残らない。
東洋経済の集計では、経常収支差額比率(経常収入に対する利益〔経常収支差額〕の割合。企業でいう経常利益率に相当する指標)がマイナスの「赤字私立大学」も5割を超えた。マイナス100%超、つまり支出が収入の2倍を超える法人も2つある。
こうした経営悪化から募集停止に踏み切る大学も増えているが、その実態は二極化している。財務に余裕があるうちに撤退を決め、計画的にソフトランディングする法人もあれば、本当に危機的状況に陥ってから募集停止をかける法人もある。「本来あってはいけないのですが、“突然死”は今後も起こりえますよね」と岸本が水を向けると、小林氏は文部科学省など監督する側の変化を挙げた。
小林:文科省の経営指導の対象法人に加えて、私学事業団(日本私立学校振興・共済事業団)によるモニタリングの枠組みができました。外からの見方はだいぶ厳しくなります。
私立大学の経営状態には、2つのものさしがある。ひとつが、文科省が19年度に導入した「経営指導強化指標」。経常収支差額が3年連続マイナスなどの要件に該当する法人が集中的な経営指導の対象となり、25年度時点で42法人にのぼる。
もうひとつが、私学事業団の「経営判断指標」。自力再生が極めて困難な法人を「レッドゾーン」、経営困難状態の法人を「イエローゾーン」と区分し、23年度決算ベースで前者は17法人、後者は119法人を数える。文科省は26年2月の審議まとめで、経営指導の対象を100法人程度に拡大する方針を示した。
こうした状況に、さらに追い打ちをかけたのが、26年4月に財政制度等審議会(財務大臣の諮問機関)の財政制度分科会で示された「大学規模適正化」案だ。「2040年までに大学数を250~400校、学部定員を18万人減らす必要がある」という内容で、私立大学は24年時点で624校あるが、これを372~217校まで縮減することを提言した。
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