「あー、このホテル、昔泊まったところに似てるなあ」
妹が、1つの廃墟ホテルの前で足を止めました。
「確信は持てないけど」
「そうか。まあ、20年前はどのホテルもまだ営業していただろうね」
廃墟になる前、この辺りをイキイキと観光客が行き交う様子を思い浮かべると、感慨深いものがあります。世間には「廃墟マニア」といわれる、好んで廃墟を見て回る人たちがいますが、気持ちは少しわかる気がします。
廃墟には「そうなる前、夢が詰まっていた時代」が必ずあります。自然とは違う人工物だからこそ、時の流れの非情さ、移りゆく人間社会のはかなさに浸ることができるのでしょう。
日本が元気だった時代を知っている50代姉妹の私たちは、同じような想いを抱えつつ車に戻りました。
「廃墟って、なんていうか、胸を打つものがあるよねえ」
私が言うと、妹もうなずきました。
閉園「ウエスタン村」の今
あとはただ宿に入るだけと車を走らせていると、「ちょっと、ここ何!?」と、気になるものが目に入りました。「WESTERN VILLAGE」。かすれた字で掲げられた看板はいかにも古くて、今はもう生きていないことがうかがいしれます。
目の前の広い駐車場も長く使われていないことが明白で、ひび割れたアスファルトの隙間から雑草が生えていました。
「ちょっと見てみよう」と妹は車をUターンさせ、近くに停めました。早速ネットで調べると、「ウエスタン村」は20年前の2006年に休園したテーマパークで、アメリカの西部開拓時代をテーマに作られた建物が立ち並び、西部劇のアクションショーなどイベントを行ったりしていたようです。


※ログイン後、コメント入力が可能です。