しかしエアコンよりもまずは、病院でもメトロでも、窓を開けられるつくりにすることが先でしょう。現代は、はめ殺しの窓が一般的になっていて、換気をしたくても窓を開けることができません。猛暑の日、窓の開かない室内や車内が不快なのは当然です」
確かにグレコさんが指摘する通り、窓が開けられない構造自体に問題があります。病院や学校も、風が抜ける窓があれば涼しいでしょうし、メトロやバスも窓を開ければ走行中に風が入ります。ひょっとすると、エアコンに頼る必要は特にないかもしれません。
「なんでエアコンをつけないの?」と聞くのが日本人なら、「なんでそんなお金があるの?」と聞き返すのがフランス人、そんな気がします。
そして、もし予算があるなら、長い目で見て得をする方に使いたいのが人情です。財政不足でエアコン設置が間に合わないことは辛いですが、それがもし熟考のための時間になり、適切な判断につながるのであれば、悪いことばかりではないかもしれません。その試行錯誤が今、いろいろな場面で見られるのがパリ、そしてフランスだとも感じます。
とはいえ暑い時は暑い! パリの住人たちは、エアコンなしでこの猛暑をどう暮らしているのか? インタビューしました!
濡らしたパジャマを着ると涼しい?! 工夫いっぱいのパリ流猛暑対策
2026年8月6日現在、パリで記録された最高気温は6月24日の40.6度。夜間の気温が20度を下らない日もありました。
こういった中、パリの住人たちはどんな工夫をしながら毎日を過ごしているのか気になります。以下4名にインタビューしました。
50代男性。100平米の近代建築アパートに家族4人暮らし
今回解説をしてくれたベルトラン・グレコさんも、モンマルトルの丘に暮らすパリの住人。まずは彼の猛暑対策から聞いてみました。
・住まいの正面側と裏側に窓があり風が抜けるので、暑すぎて眠れないといった思いをしたことはない。比較的過ごしやすい住居だと思う。
・ただし、風が抜けるとはいっても、気温38度の日の風は決して涼しくはない。それでも私は空気が動く方を選ぶが、妻は暑い外気を入れないために窓を閉め切っておく方を選び、どちらかが譲歩することになる。
・エアコンはないが、扇風機を使用している。エアコンの必要性を感じたことは今のところない。
・妻は、バスタオルを濡らし、シーツの上に敷いて寝ている。本人曰く快適らしいが、私はまだ試す気になれない。バスタオルは水で濡らした後に軽く絞ってから使っているようだ。ベッドへの被害はない。

