「それでもサンプルを作って、いろんな人に見せていました。本物そっくりの人工パーツってインパクトがあるんですよね。すぐに私のことを覚えてもらえ、だんだん『亡くなった祖父もずっと手を隠していた』『母親が乳がんで胸を失った』など、身近な人の話を聞くようになり、やがて『作ってほしい』という声も少しずつ増えていったんです。
当時、私は群馬県に住んでいました。周囲にはプレス工場や林業、建築業、農業などに携わる人も多く、作業中の事故でケガをする人も……。そうした中で、悩みを抱えていても、どこに相談すればいいのかわからない方や、エピテーゼの存在を知らない方が、思っていた以上に身近にいることを知りました」
2017年に個人事業主として、実家の一部を工房にしてエピテーゼ製作を手掛けるようになった。
「おそらくですが、これまでは体の欠損や外見の変化について話すこと自体が、タブー視されていた面もあったと感じています。周囲から『命が助かったのだから、体の一部の変化くらい我慢するしかない』と言われたり、本人自身もそう思い込んでしまったりすることがあります。そのため、悩みを誰にも相談できずに抱えている方もいました。相談者の方のなかには、周囲から心ない言葉をかけられ、傷ついた方もいます」
ビジネスコンテストでグランプリを受賞し、賞金として200万円を得た。この賞金は、その後の法人化や東京進出に活用した。同じ頃、NHKなどのメディアにも取り上げられ、全国から相談や問い合わせが寄せられるようになった。
「ありがたいことに、全国から問い合わせをいただくようになりました。でも当時の拠点は群馬で、遠方から相談に来ていただくにはアクセスがよくありませんでした。そこで、法人化を機に東京へ拠点を移すことにしました」
時代が追い付き始めたアピアランスケア
エピテーゼ専門サロン「エピテみやび」では、現在、月に4人ほど、女性限定で相談を受けている。女性のみとしているのは、胸など繊細な部分の相談をするためだ。初回カウンセリングから、型取り、仮合わせ、色の調整などの4~5工程の製作プロセスを経て、完成させる。


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