職場には「妖精さん」と呼ばれる中高年社員がいると言われています。
存在感が薄く、何をしているのかわからない。重要な仕事を積極的に任されることもなく、出社したと思ったら、気がつけば退勤している。職場をフワフワと漂っているように見えることから、そう呼ばれます。
しかし私は、「妖精化」は単に仕事をしなくなった結果ではないと思っています。
周囲との関係を失ったとき、人は組織の中で妖精化していきます。
これは管理職も同じです。
自分の経験だけを語る。若手の価値観を理解しようとしない。「最近の若者は」と一括りにする。昔の成功体験を繰り返し語る。
そうしているうちに、若手社員は相談しなくなります。
「妖精化」は、ある日突然起こるのではありません。
人との関係が少しずつ切れていった先に起きるのです。
「正解」を押し付けてはいけない
だからといって、ベテラン社員は若手に何も言わないほうがいいのでしょうか。
もちろん、そんなことはありません。むしろ逆です。
長年の仕事を通じて培った経験、失敗、修羅場、人を見る目は、若い社員にはない大きな財産です。
ただし、それを「正解」として押し付けてはいけません。
「俺の若い頃はこうだった」で終わるのではなく、
「自分はこういう経験をしたけれど、あなたはどう思う?」
と問いかけるのです。
ここに大きな違いがあります。
人財育成とは、自分の価値観に相手を染めることではありません。
相手の中にある可能性を引き出すことです。


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